日本百名山 (新潮文庫) の感想

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タイトル日本百名山 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者深田 久弥
販売元新潮社
JANコード9784101220024
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購入者の感想

北アルプスや南アルプスに行くと、百名山にチャレンジしている人に出会うことがある。
話をしてみると、自分はもう70座登った、80座登った、次はこの山、その次はあの山、と話は尽きない。
しかし、よく聞いていると、この人、「日本百名山」を読んでいないな、と気づくことがある。
その度に、「日本百名山」のブームってなんだったのだろうと思う。
深田久弥の文章に憧れて山に興味をもったのではなくて、百名山のリストに振り回されているだけなのではないかと思ってしまう。
そしてその度に、「日本百名山」の山岳文学としての価値と、百名山リストに振り回されている素人登山家の行動とを混同してはいけないと思う。

この本はいい本だと思う。日本の山の中から、百山を選んで紹介するという企画もいいと思う。
こういったコンパクトなガイドブックや旅行記を作ることは、日本人のお家芸なのではないかと思う。

(こういった本に対して日本人の精神の貧困さを嘆く評論家がいるが、そのとおりかもしれない。いい車に乗ること、いい大学に入ること、いい会社に入ること、出世すること、ブランドものの洋服を着ること、煎じ詰めれば、これらのことは貧困なる精神のなせるわざだと思う。そして私は、自分を含めて、貧困じゃない精神の持ち主に出会ったことがない。また、貧困じゃない精神の国が、有史以来存在したためしがないことを確信している。)

本書に対する批判としてよく言われるのは、百名山に選ばれた山だけに登山者が殺到し、選ばれなかった山は寂れていくというものがある。
しかし、本書によって山の格差が生まれたのだとしても、その責任は、深田久弥だけが負うべきものだろうか。

葛飾北斎の「富嶽三十六景」を見て、世界中のどれだけの人が、富士に憧れ、富士を描き、富士を訪れたか。
(そして富士山ばかりを描いているからといって、北斎を非難する人がいるだろうか?)

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