絵とき 水理学(改訂3版) の感想

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「絵とき　水理学」の狙いは次の通りである。「初めて土木を学ぶ方が楽しく学習できるように、土木のさまざまな分野をイラストや図でわかりやすく説明する「絵とき」入門書シリーズの一巻です」。私は購入したものの問題を解くまで利用しなかったため、十分信頼できるレビューを書ける自信はないが、理系分野に苦手意識があり、水理学を履修している最中、流し読みをした。この本の特徴、対象読者、利用法、考察を通してレビューをこれから述べる。まず、この本の特徴として、頻出の知識、解法を直感的に理解させ、使えるようにすることを目標としている。したがって、大学で水理学を履修している者にとっては帯に短し襷に流しであろう。テキストやプリントで十分である。例えば、大学の講義において、物理数学を駆使する部分では、その説明が問題を解く鍵になるが、この本では不十分であった。したがって、もし、あなたが水理学を大学で学んでおり、より深く知りたい人、自主的にもっと勉強したい人はこの本をあえて購入する必要はない。講義と比べて到達度がやや下がるからである。しかし、独習者においてはこの限りではない。もし、止むを得ず水理学を独学で学ばなければならない。そういうときに、役に立つであろうと考えられる。例えば、理系公務員試験対策として、土木分野の教育を受けていないが、どうしても公務員になりたい意欲のある人がこの本の想定読者に当てはまる。あるいは、記憶が曖昧で、水理学の基礎事項を手早くおさらいする必要のある大学院生がハンドブックとして利用するのが良いと思われる。まとめとして、考察を述べる。水理学における様々な知識、解法をリストアップしているだけあり、水理学を独学で学ぶには有用な書物であろう。なぜなら水理学学習者にとって必要最低限理解し、解けるべき部分を網羅しているから。しかし、現実は厳しいもので、参考書を使って勉強しても、一夜漬けや広く浅く聞きかじったと評される程の学習効果しか得られないというのが、私の学生生活における総括である。独習者は予備校も活用し、丁寧に学ぶべきであろう。また、水理学履修者は、点数を取りたければ講義を履修し、テキストの予復習及び問題演習が必須であると考える。まぁ、私は必要に迫られて水理学を履修した身分であり、偉そうなことは言えない。参考までに。