介護不安は解消できる (集英社新書) の感想

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90歳の母親がいます。今のところはとても元気ですが、いつ介護をすることになるのかずっと不安でした。なぜ不安になるのか、ひと言で言えば介護に対する無知です。いざ介護となったとき、慌てずにどういう手続きをとったらよいのか、どのくらいお金がかかるのか、ベッドから車椅子に移したり食事・入浴・排泄介助のコツはあるのか、そして、どのような心がまえで介護に臨んだらよいのか……。さまざまな不安材料にどう対応したらよいかが図解入りでわかりやすく書かれてあります。なかでも印象的だったのが、「寝たきりはつくられる」ということ。脳卒中や骨折などの身体障害によってすぐに寝たきりになると思っていましたが、実はそうではなくて、寝たきりになるような介護をするから寝たきりになるのだと。このような介護に対する誤解、介護現場の多くの問題点、これまでの間違った介護の方法を指摘し、その改善を望む著者の熱いメッセージも伝わってきます。介護は他人事、できれば介護はしたくない、でもいずれは避けては通れないかもしれないその時に備える最良の本を待っていました。