ポストモダニズムとホロコーストの否定 (ポストモダン・ブックス) の感想
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参照データ
タイトル | ポストモダニズムとホロコーストの否定 (ポストモダン・ブックス) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ロバート イーグルストン |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000270779 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 歴史・地理 |
購入者の感想
ポストモダニズムはホロコースト否定論を生み出した、という
非難に対して、前者を擁護しつつ否定論を反駁しようとするのが、
本書の狙い。ポストモダニズムと一言で言っても幅広いが、
その成果の一つが、過去の出来事の認知が一定のコンセンサスに依存する、
という認識であることは、著者の主張するとおり。
その理屈で、否定論とはそのようなコンセンサスを無視した暴挙だと言う。
その意味で、これは歴史研究「内部」における「学派」の争いでは決してない。
むしろ、学問としての歴史学と赤裸々な政治勢力との間の戦いである。
いわゆる「物語論」とは、学問的な歴史叙述の手続きに含まれざるをえない
一つの側面を強調したものであって、その手続きに従わない否定論には、
物語論を奉じる資格すらない。
こうした歴史学コミュニティにおけるコンセンサスの役割を重視した本書の
独自性と高い説得力に、星5つ。薄い小冊子だが、その議論の射程は大きい。
非難に対して、前者を擁護しつつ否定論を反駁しようとするのが、
本書の狙い。ポストモダニズムと一言で言っても幅広いが、
その成果の一つが、過去の出来事の認知が一定のコンセンサスに依存する、
という認識であることは、著者の主張するとおり。
その理屈で、否定論とはそのようなコンセンサスを無視した暴挙だと言う。
その意味で、これは歴史研究「内部」における「学派」の争いでは決してない。
むしろ、学問としての歴史学と赤裸々な政治勢力との間の戦いである。
いわゆる「物語論」とは、学問的な歴史叙述の手続きに含まれざるをえない
一つの側面を強調したものであって、その手続きに従わない否定論には、
物語論を奉じる資格すらない。
こうした歴史学コミュニティにおけるコンセンサスの役割を重視した本書の
独自性と高い説得力に、星5つ。薄い小冊子だが、その議論の射程は大きい。