年商5億円の「壁」のやぶり方 の感想

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会社を経営していく上で知っておかねばならない事、当然の事が書いてあります。創業してから会社を成長させていく過程で、ある時点で組織を作らねばならないし、今現在の事だけではなく、将来を見据えた経営をしていかなくてはいけないのは当然の事。でも、当たり前の事をやるのが難しいんでしょうね。会社経営の原理原則、経営者としての心構えが書いてあるので、マンネリしたり、ブレてないか確認したいと感じた時に読み返すのが、この本の正しい使い方かも。

著者の新規事業関連の本を読んだことがあるが、今回の本は起業家やベンチャー役員向けの本。とは言っても、大企業内で経営層や戦略部門を目指す人にとっても役立つだろう。特に組織やコミュニケーション、M&Aの部分は大企業の人にとっても共通する部分である。

人間の基本的な能力や本能で(＝素朴な方法で)マネジメントできるのは、せいぜい50人くらいまでだろうと思う。この本には、その壁を超える方法や、マネーマーケットを利用して事業の成長を加速させる考え方について書いてあり、参考になった。

この著者の本の面白いところは、一見常識的ではないことを主張しているようで、説明を読んでいくと、その主張が至極真っ当であることに気付かされるところだと思う。複雑系でリソースに限りがあるという状況を「動的」にモデリングし、実際に実行できる解決方法(拍子抜けするくらい現実的だったりする)に落とし込むところは、非常に気持ちが良い。
個人的な要望になるが、マネーマーケットや企業間の提携、それに著者流の戦略の考え方などでそれぞれ本を出してほしい。