「好き嫌い」と経営 の感想
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参照データ
タイトル | 「好き嫌い」と経営 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 楠木 建 |
販売元 | 東洋経済新報社 |
JANコード | 9784492533444 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
2年前、刊行と同時に読んだ本を、改めて読みなおした。
前回読んだ後、著書の戦略読書日記を熟読したこともあり、
この「好き嫌い」を問うアプローチが、なぜに重要なのか、
気持ち良いぐらいに腹落ちした。
「好き嫌い」という、一見すると表層的な感情論の体裁の裏には、
企業戦略論導出の源泉としての深淵なロジックが眠っている。
特に、取引コスト理論をとおして、市場と組織の対比を考えたとき、
組織の存在意義を支えるのが、まさに経営者の動因としての好き嫌いであり、
経済成長が成熟した環境にあっては、企業内部の独自価値の創造こそが、
現代日本企業の主眼たるべきという著者の主張そのものが、
ひとつのストーリーとして受け入れられた。
最終章で著者も進めるとおり、この本そのものを、好き嫌いの基準で読んでみた。
それを類型化すると、以下の通り。
1)好きだと思っていて、やっぱり好きだった: 佐山さん、出口さん
2)あまり好きじゃなかったはずが、好きになった: 新浪さん、松本さん、星野さん
3)興味なかったし、やっぱり結果も変わらなかった: 重松さん、石黒さん
振り返ってみると、2)が増えたことで、自分の視点が拡がった気がする。
本当に収穫の多い再読だった。
前回読んだ後、著書の戦略読書日記を熟読したこともあり、
この「好き嫌い」を問うアプローチが、なぜに重要なのか、
気持ち良いぐらいに腹落ちした。
「好き嫌い」という、一見すると表層的な感情論の体裁の裏には、
企業戦略論導出の源泉としての深淵なロジックが眠っている。
特に、取引コスト理論をとおして、市場と組織の対比を考えたとき、
組織の存在意義を支えるのが、まさに経営者の動因としての好き嫌いであり、
経済成長が成熟した環境にあっては、企業内部の独自価値の創造こそが、
現代日本企業の主眼たるべきという著者の主張そのものが、
ひとつのストーリーとして受け入れられた。
最終章で著者も進めるとおり、この本そのものを、好き嫌いの基準で読んでみた。
それを類型化すると、以下の通り。
1)好きだと思っていて、やっぱり好きだった: 佐山さん、出口さん
2)あまり好きじゃなかったはずが、好きになった: 新浪さん、松本さん、星野さん
3)興味なかったし、やっぱり結果も変わらなかった: 重松さん、石黒さん
振り返ってみると、2)が増えたことで、自分の視点が拡がった気がする。
本当に収穫の多い再読だった。
躍進著しい企業の14人の経営者に対して、「ストーリーとしての経営戦略」の楠木先生がインタビューして経営における「本音」を聞き出したのが本書である。「本音」とは「好き嫌い」である。経営者は楠木先生の巧みなインタビューで自らの好き嫌いを率直に語り尽くしている。14人の顔ぶれは、永守重信、柳井正、佐山展生、松本 大、藤田 晋、出口治明…と創業経営者がほとんどである。
なぜ経営者の「好き嫌い」が重要か、楠木先生は以下のように説明する。経営者の事業意欲は内発的な「動因」から生じるが、それは多分に本人の「好き嫌い」に基づいているはずだ。一般に「正しいか正しくないか」で判断しがちだが、より本質的には「好き嫌い」が判断基準になるのではないか。その経営者の「好み」が、強いては企業文化を形作るのではないか。それが他社との競争優位にもつながるのではないか。この仮説にしたがって楠木先生の経営者インタビューが開始されたのである。
同じアパレル業界でもユニクロとユナイテッドアローズの経営者は「好きなこと」がずいぶん違う。
「昔は『とんがったものもいいな』と思っていましたが、それでは生き残れないでしょう。一部の人を対象とするより、あらゆる人を対象にする仕事のほうが、社会貢献につながります。一部のおしゃれな人を対象にしているのはビジネスではなく、趣味ですよ。」(ユニクロ・柳井正氏)
「好きなことをやってきたら、いつの間にか売上がついてきた、というのが正直な感想です。おそらく、お金を儲けようと利益を追求していたら、売上はついてこなかった。だから、そういうスタイルになっているのかなと思います。」(ユナイティドアローズ・重松理氏)
「なるほど」と感心する意見も多い。
「人生でどちらの道に行くかどうかを決めるとき、『上手くいくか、行かないか』で決める人がいますし、たぶんそれが大半でしょう。私は、そこがはっきりと違っていて、『もしうまくいったら、面白いか』で決めています。」(インテグラル・佐山展生氏)
なぜ経営者の「好き嫌い」が重要か、楠木先生は以下のように説明する。経営者の事業意欲は内発的な「動因」から生じるが、それは多分に本人の「好き嫌い」に基づいているはずだ。一般に「正しいか正しくないか」で判断しがちだが、より本質的には「好き嫌い」が判断基準になるのではないか。その経営者の「好み」が、強いては企業文化を形作るのではないか。それが他社との競争優位にもつながるのではないか。この仮説にしたがって楠木先生の経営者インタビューが開始されたのである。
同じアパレル業界でもユニクロとユナイテッドアローズの経営者は「好きなこと」がずいぶん違う。
「昔は『とんがったものもいいな』と思っていましたが、それでは生き残れないでしょう。一部の人を対象とするより、あらゆる人を対象にする仕事のほうが、社会貢献につながります。一部のおしゃれな人を対象にしているのはビジネスではなく、趣味ですよ。」(ユニクロ・柳井正氏)
「好きなことをやってきたら、いつの間にか売上がついてきた、というのが正直な感想です。おそらく、お金を儲けようと利益を追求していたら、売上はついてこなかった。だから、そういうスタイルになっているのかなと思います。」(ユナイティドアローズ・重松理氏)
「なるほど」と感心する意見も多い。
「人生でどちらの道に行くかどうかを決めるとき、『上手くいくか、行かないか』で決める人がいますし、たぶんそれが大半でしょう。私は、そこがはっきりと違っていて、『もしうまくいったら、面白いか』で決めています。」(インテグラル・佐山展生氏)
前作「ストーリーとしての競争戦略」には多いに頷きましたが、今作はちょっと。
対談がだいたい楠木氏の「私はダメですが、共通点があります、似ています…」から始まり、
かといって楠木氏の発言に、とてもダメだと思っている印象は受けません。
むしろ自信に満ちている。(言葉では卑下されていますが)
インタビュー集だと思って読んだら、対談に近い気がしました。
話しを聴き出そうという(ストーリーとしての?)戦略かもしれませんが、
語り口がちょっとハナにつきました。すみません。
対談がだいたい楠木氏の「私はダメですが、共通点があります、似ています…」から始まり、
かといって楠木氏の発言に、とてもダメだと思っている印象は受けません。
むしろ自信に満ちている。(言葉では卑下されていますが)
インタビュー集だと思って読んだら、対談に近い気がしました。
話しを聴き出そうという(ストーリーとしての?)戦略かもしれませんが、
語り口がちょっとハナにつきました。すみません。
このメンバーを選んだことがまずすごい。
質問も鋭く、秀逸だ。
読みごたえがある。
好き嫌いが激しいことが明白な原田氏。
好き嫌いで経営してはならぬと公言していた出口氏。
このふたつのインタビューが特に良い。
質問も鋭く、秀逸だ。
読みごたえがある。
好き嫌いが激しいことが明白な原田氏。
好き嫌いで経営してはならぬと公言していた出口氏。
このふたつのインタビューが特に良い。