脚本を書くために知っておきたい心理学 の感想

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参照データ

タイトル脚本を書くために知っておきたい心理学
発売日販売日未定
製作者ウィリアム・インディック
販売元フィルムアート社
JANコード9784845914449
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

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購入者の感想

脚本か心理学いずれかの専門書はいくらでもあるが、両者の知識が上手く処理されているものは中々ない。
本書はどちらも専門的領域に踏み込みすぎない丁度いいラインを保っていて、かつ読みやすい。

内容は商品紹介にある通りだが、6人のうちジョーゼフ・キャンベルだけは心理学者ではないし、他の脚本指南書などでもすでに散々研究・解説されているキャンベルの理論をわざわざ本書に収めたのはいまいち解せない。
個人的には「成長の5段階欲求」で知られるマズロー心理学なども、物語の主人公の精神的成長に当てはめて考察することができると思うのだが、それを差し置いて今や目新しいものではなくなったキャンベルを取り入れているのである。
モーリーン・マードックの「ヒロインの旅」をガール・パワー映画に当てはめるという、第11章の前提として導入するにしても紙面を割きすぎた感がある。

脚本を志す方は以下のことに注意されたい
著者が述べるように、本書で紹介される心理学の理論は、脚本を書くためのテンプレートではない
「ハムレット」が書かれた時代にエディプス・コンプレックスという用語などなかったように、理論というのは結局のところ後付けにすぎないのであって、
もし本書にあげられた理論に沿って物語を書けば自ずと優れた作品になると考えたのならば、それは大きな誤解となる。
とはいっても、人類にとって普遍的でかつ複雑な心理葛藤を知識として構造的に理解しておくことは、モノ書きにとって極めて重要な課題であることは間違いない。
つまり、本書は自身が書いた物語の心理学的テーマをより明確に捉え、掘り下げていくためのガイドブックなのである。

校訂に関しては、フィルムアート社翻訳本のご多分に漏れず、相変わらず質が低い。
「ライバル関係」を「ライル関係」(それも何度も)としていたり、映画作品の邦題が一致してなかったりはすぐに気づくはずだが・・・

キャンベルと校訂の件で評価はマイナス2としたが、内容は概ね満足している
歯ごたえのある練習問題もついているので、何度も手に取る参考書となりそうだ。

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