「筋肉」よりも「骨」を使え! (ディスカヴァー携書) の感想

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参照データ

タイトル「筋肉」よりも「骨」を使え! (ディスカヴァー携書)
発売日販売日未定
製作者甲野善紀
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784799314913
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

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購入者の感想

初読日2019年4月

古武術研究家甲野善紀氏と骨ストレッチ開発者松村卓氏の対談本です。

その内容は簡単に言うと、

いわゆる誰もが思いつきやっている筋トレやストレッチは運動パフォーマンスの向上に繋がらないばかりか、逆に故障の原因になる

運動パフォーマンスを上げる体の使い方は筋肉を緩めリラックスさせた状態で、体幹を主導とし、筋肉を連動させて使うこと

というものです。

個人的にはこの考え方は正しいと強く痛感しています。

ということで書いてある内容についてはかなり賛同できるのですが、問題は肝心のhow、つまりどうやったらそれを実現できるかの部分が弱いことです。

もちろんそのやり方は、著者が開発した骨ストレッチと、詳細不明のマッサージなのですが、そのやり方は本書では簡単に言及されてるだけです。

なお、私は骨ストレッチのやり方の本も以前購入して試していたことがありますが、個人的にはピンと来ませんでした。

骨ストレッチをやることで体が悪くなることはないのですが、運動パフォーンフを上げるための関節可動域の拡大、筋肉を柔軟にして質を上げるという目的に対してはあまり役立つ実感を得られませんでした。

ということで個人的には考え方については共感できるものの、肝心のそのやり方、具体的なトレーニング法の記載については不十分かつピンとこないため、消化不良に感じました。

ただ従来の筋トレやストレッチでは思うような効果を得られていない方が読むと、それを抜け出すきっかけとなったり、少なくとも何らかの気づきは得られると思います。

追伸
本書の中では名前だけしか出てこないですが、個人的には長谷川智氏の骨ナビ体操の方が効果を感じ、もう1年以上ほぼ毎日継続しています。

(以下ネタバレメモ一部)
スポーツ科学の理論やデータとランナーの実際の動きは全くと言っていいほど噛み合っていない

2014年初版。甲野善紀氏と、甲野善紀氏の下へ稽古にも通った事のあると言う走りのプロ、松村卓氏との対談本です。甲野氏と世間で言う処の弟子の対談本は何冊か拝読しましたが、気が合うからこそ本の出版にまで至ったのだとは拝察しますが、出版されたものでは何となく盛り上がりの無い本になっている事も有りました。しかし、この本はのっけから好調なリズムと流れがあり、楽しめました。きっと、武術の達人と走りに特化したプロ同士が夫々の達成して来たものが近いレベルに到達しているから楽しめたのかも知れません。

虎拉ぎは確かに階段や上りにも有効ですが、私は下りでの安定性を感じています。それと同じ様に、松村氏の尻尾のバランス感覚は新鮮でした。未だ、それ程の期間、実践している訳ではありませんが、飼い猫や飼い犬の尻尾の使い方は映像としてしっかり頭に焼き付いています。私達、人と呼ばれる動物にも退化はしていますが、かすかにその名残があります。退化したとは言え現存するわけですから、松村氏が書かれている様に本能的なものと繋がっているとしたら、面白い事だ、と思います。犬を観ると左右に尻尾を振ったり、本当に嬉しい時は尻尾を回転させて喜びを表現しています。尻尾は感情をも表しますが、バランスを取る上で大切な役割も担っています。動画を観ると、エリマキトカゲは尻尾の先を水面にタッチしながら、舟の櫂の動きの様に左右に振りながら水面を忍者の如く走ります。

ウサイン・ボルトの走り方は身体意識の例として良く採り上げられていますが、走りのプロが解説して居るのは初めて読みましたので、大変興味深いものがありました。

バトンを持って走る“太鼓でドン”は以前に甲野氏が指導された桐朋高校の高校生の走り方に似ているものを私の場合は感じました。他に甲野氏が手の平返しと呼んでいる遣り方にもこんな応用があるのか、と言った気付きがあり、もっと日常の中で手の平返しが使える処を探してみたくなりました。

骨が動いて筋肉がそれに従う。
100m9秒58の世界記録保持者、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の例が分かり易い。
ボルトは、坂道を走ってトレーニングしていた。それは、何時の間にか鎖骨を上下に大きく動かしまた、肋骨をも動かして体幹ごと進む走りを覚えてしまった。そしてそれは、腕振りや脚力に頼らない走りであった。

アメリカの一流選手は、体幹を箱のように固め脚の筋肉で、それを強引に動かそうとする。
おまけに、地面を強く蹴るため筋肉はそれにより収縮し動きが阻害されてしまう。
行き着くところドーピングということになる。

ボルトは、骨組みを使って走っていたが世界記録樹立後は、タイムはどんどん落ち筋肉は逆に、肥大している。腕も思いっ切り振るようになったがこのままでは、終わりであろう。アメリカ式トレーニングを取り入れたのではないだろうか。

体幹と手は、密接微妙に関わっている。「虎拉ぎ」、「旋段の手」にすると体幹の力が引き出せるのが解る。
また、中宮寺弥勒菩薩半跏像は親指と小指がつながったように見えるが、それはブレーキとアクセルの関係で、それも体幹と密接な繋がりがある。
手の平を一回上にし、その後握るか構えれば筋肉の無用な緊張が解れる。

スポーツのルールは、人が決めるが武術のルールは、そうではない。身体構造から来る働きは、始めから決まっていてもそれ以外は自由である。

事に当たって考えない。(思考<脳>は、足を引っ張る。なので、体<内観的身体=感覚>に任せる)
筋力トレーニングそしてその反動としてのストレッチは、不要どころか有害という件は眼からウロコである。
ところが現実は、余計な脳の介入により本来の動きを妨げた凝りを解しているのが実情である。
戦前の写真が残っている。
60キロ×5=300キロの米俵を、多分150センチ、40キロ台の女性が担いでいるのである。これは、筋肉の力であろうか、いやそうではない。昔といっても僅か80年前の日本人の身体感覚は、今とは較べものにならなかったのである。

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