中国は腹の底で日本をどう思っているのか メディアが語らない東アジア情勢の新潮流 (PHP新書) の感想
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参照データ
タイトル | 中国は腹の底で日本をどう思っているのか メディアが語らない東アジア情勢の新潮流 (PHP新書) |
発売日 | 2015-07-10 |
製作者 | 富坂 聰 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 国際政治情勢 |
購入者の感想
この本は、2014~2015年頃の中国と日本をめぐる国際情勢を詳しく分析した硬派の本です。「中国は腹の底で日本をどう思っているのか」というタイトルですが、もっと幅広で多面的な国際関係に関する記述がなされています。
そして、日本の政府・外務省やマスコミが流す情報がいかに的外れであるかが具体的な事例をひいて書かれています。私には、その真贋を正確に論評できる能力はありませんが、「なるほど」と思う部分が随所にある本です。
本書には、多くのことがていねい・詳細に書かれていますが、そこに通底する考え方は、「希望的観測や思い込みや価値観にとらわれて国際情勢を見るのではなく、『外交は利害で動く』、『国家間の関係は、刻々と変わっていく』ということを認識せよ」、「小さなシグナルを見落とさず、機をとらえて的確な外交を行え」ということかと思います。
この本を読むと、中国の反日姿勢が緩みつつあることの背景がよく理解でき、また、北朝鮮の国力や軍事・外交が日本人が考えているよりよほどしっかりしたものであることがわかります。アジア情勢がよく理解できる本です。
中国関連の本には、イデオロギーに支配されていたり、嫌中一辺倒のヒステリックな本が多い中で、本書はとても冷静にきちんとした姿勢で書かれた本です。日頃、日本のマスコミが提供している視点とは異なる視点が得られる貴重な本であり、読む価値が十分にある本と思います。
そして、日本の政府・外務省やマスコミが流す情報がいかに的外れであるかが具体的な事例をひいて書かれています。私には、その真贋を正確に論評できる能力はありませんが、「なるほど」と思う部分が随所にある本です。
本書には、多くのことがていねい・詳細に書かれていますが、そこに通底する考え方は、「希望的観測や思い込みや価値観にとらわれて国際情勢を見るのではなく、『外交は利害で動く』、『国家間の関係は、刻々と変わっていく』ということを認識せよ」、「小さなシグナルを見落とさず、機をとらえて的確な外交を行え」ということかと思います。
この本を読むと、中国の反日姿勢が緩みつつあることの背景がよく理解でき、また、北朝鮮の国力や軍事・外交が日本人が考えているよりよほどしっかりしたものであることがわかります。アジア情勢がよく理解できる本です。
中国関連の本には、イデオロギーに支配されていたり、嫌中一辺倒のヒステリックな本が多い中で、本書はとても冷静にきちんとした姿勢で書かれた本です。日頃、日本のマスコミが提供している視点とは異なる視点が得られる貴重な本であり、読む価値が十分にある本と思います。
マスコミの報道を見ていると、中国は東シナ海、南シナ海に進出し、スプラトリー諸島ではベトナムと衝突し、
ミスチーフ諸島では、フィリピンと衝突し、尖閣諸島では日本の領海を頻繁に犯し、一触即発の危機にあるようです。
また、習近平主席の提唱する経済圏構想、一体一路、しかし、その一方、ウイグル族への弾圧。
そして、AIIBの設立、当初の予想に反し、EU圏の英国を始め、独、仏、伊も参加を表明し、なんとベトナムまで参加しているのです。
確かにマスコミの報道では、中国発の戦争がいつ始まってもおかしくないはずですが、逆に中国発の報道を見ていると、
米中間に戦争が勃発する、というほど差し迫った雰囲気は感じられません。
有数の中国ウオッチャーの冨坂さんは、今、必要なのは、日本から見た世界ではなく、
中国、韓国、或いは、北朝鮮が日本や世界をどう見ているか、だと考えています。
本書は、その観点から、著者独自の情報、東アジアの情報を集積、分析しています。
日本に対し、強硬一辺倒の中国ですが、現在その姿勢は徐々に変化の兆しを見せています。
そのきっかけは、ロシアのクリミア占拠、中国は、ロシアの外交の優位性は認めていますが、そのまねはしないと言っています。
考えてみると、同じ共産圏の国同士でしたが、過去にも大きな対立があり、クリミア問題を契機に「脱露入米」へ方針を転換し、
それが対日政策変換の大きな要因になっていることは、間違いないようです。
また、北朝鮮ですが、日本の援助が最も必要とされていたのは、2002年~2007年までで、交渉のタイミングとしては、現在はどうなのだろうか?
さらに、北朝鮮が核兵器を所有した今現在、中国の北朝鮮政策は変化していて、南北を統一させないことが、一番の国益と考えているようです。
さらに、AIIBに参加した英国、過去の歴史、そして、最近の行動を見ていれば、AIIBへの参加は、容易に予想ができたはずです。
これらの行動は、「価値観」ではなく、「利害」関係、ということに目を向ければよく理解できます。
ミスチーフ諸島では、フィリピンと衝突し、尖閣諸島では日本の領海を頻繁に犯し、一触即発の危機にあるようです。
また、習近平主席の提唱する経済圏構想、一体一路、しかし、その一方、ウイグル族への弾圧。
そして、AIIBの設立、当初の予想に反し、EU圏の英国を始め、独、仏、伊も参加を表明し、なんとベトナムまで参加しているのです。
確かにマスコミの報道では、中国発の戦争がいつ始まってもおかしくないはずですが、逆に中国発の報道を見ていると、
米中間に戦争が勃発する、というほど差し迫った雰囲気は感じられません。
有数の中国ウオッチャーの冨坂さんは、今、必要なのは、日本から見た世界ではなく、
中国、韓国、或いは、北朝鮮が日本や世界をどう見ているか、だと考えています。
本書は、その観点から、著者独自の情報、東アジアの情報を集積、分析しています。
日本に対し、強硬一辺倒の中国ですが、現在その姿勢は徐々に変化の兆しを見せています。
そのきっかけは、ロシアのクリミア占拠、中国は、ロシアの外交の優位性は認めていますが、そのまねはしないと言っています。
考えてみると、同じ共産圏の国同士でしたが、過去にも大きな対立があり、クリミア問題を契機に「脱露入米」へ方針を転換し、
それが対日政策変換の大きな要因になっていることは、間違いないようです。
また、北朝鮮ですが、日本の援助が最も必要とされていたのは、2002年~2007年までで、交渉のタイミングとしては、現在はどうなのだろうか?
さらに、北朝鮮が核兵器を所有した今現在、中国の北朝鮮政策は変化していて、南北を統一させないことが、一番の国益と考えているようです。
さらに、AIIBに参加した英国、過去の歴史、そして、最近の行動を見ていれば、AIIBへの参加は、容易に予想ができたはずです。
これらの行動は、「価値観」ではなく、「利害」関係、ということに目を向ければよく理解できます。