森のなかのスタジアム――新国立競技場暴走を考える の感想
225 人が閲覧しました
参照データ
タイトル | 森のなかのスタジアム――新国立競技場暴走を考える |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 森 まゆみ |
販売元 | みすず書房 |
JANコード | 9784622079491 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
この2年、新国立競技場問題が世間を騒がせたが、初めの頃はザハ・ハディド氏のデザインが俎上にあがり、最近はコストト工期の問題が俎上にあがっているが、この本では、神宮外苑の歴史景観の破壊に対する疑問から始まり、次世代にツケを残さない、廃止されるという霞ヶ丘アパートの居住権の問題、ファシリティマネイジメントの話、スポーツ施設のあり方の問題、ヒートアイランドの問題などさまざまな視点から書かれている。そしてオリンピック招致の時に東北の復興の姿を見せると高らかに言ったことが、今やすっかり忘れ去られた。生活者の目からすると、政治家や官僚たちの無責任体質ばかりが目につく。新国立競技場問題を書きながら、間違いと分かっていても立ち止まらない、国民の声に耳を傾けることのない政治体質を浮き彫りにしている。力強い文体で、一気に読める本だ。