怒羅権(Dragon)―新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル (文春文庫) の感想

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タイトル怒羅権(Dragon)―新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル (文春文庫)
発売日2012-04-10
製作者小野 登志郎
販売元文藝春秋
JANコード9784167801878
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 近年、関東連合に代表されるような、従来の不良グループとは明らかに違う半グレ集団と呼ばれる人達が、ヤクザに代わる第三勢力
として、裏社会ばかりでなく、表の一般社会にも進出していることが、ネットばかりでなく、雑誌・新聞・テレビ等の主流なメディア
でも話題になっています。
 そうした新しいタイプのアウトローとして、関東連合などと共によく話題に挙がる有名な集団に怒羅権がいます。
 この本を書店で手にしたりネットで探した方たちの多くは、おそらく、怒羅権の成り立ち、活動実体、集金の手口、実際の構成する
メンバーのキャラクター、グループの中のヒエラルキーがどうなっているか等、彼らの生態への関心から、なのではないかと思います。
 そうした観点から読んでも勿論、ある程度は読者の欲求を満たすことも出来るのですが、この本はそうしたアウトロー集団の実体を
ルポすることに主眼が置かれた本ではありません。
 内容の大半は怒羅権のメンバーやその周辺者が日々、何を思い暮らしているかを取材したドキュメンタリーといった感じでしょうか。
中国残留孤児二世・三世、大陸からの不法滞在者等のある意味では一般人とは違う負の部分を背負った者達が日本で生きていくに当たり、
手段を選ばず、社会の底辺に沈降して己の才覚や仲間とのネットワークを最大限に使い、なんとか面白おかしく生きていこうと日々格闘し
ている、そうした悲哀、日々の葛藤を伝えたい、そのような本だと私は読んでいて感じました。
 ですので、本としては非常に優秀な出来に入る部類だと認めるのですが、私などはもっと単純にいま話題の半グレ集団の代表である怒羅権
がいったいどんな連中なのかという、怖いもの見たさの下世話な興味から買ってみたので、著者の技術でもある、文体や構成に何だか、非常
に勿体ぶった気取ったものを感じ、読中・読後にどうもストレスを感じずにはいられませんでした。
 結論として裏社会のルポというよりストレンジャー達の人間ドラマに比重が置かれたドキュメントだと承知したうえでなら、買って損は無
いと思います。
  
 
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