美学への招待 (中公新書) の感想

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タイトル美学への招待 (中公新書)
発売日販売日未定
製作者佐々木 健一
販売元中央公論新社
JANコード9784121017413
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

本書は、美学の起源を、便宜上、近世以降に設定して、絵画、彫刻、音楽等の芸術に関して、豊富な具体例を交えつつ、初心者でも理解出来る様に、「哲学的」に考察している。そして、近世等においては、コンテンポラリーな芸術がポピュラーだったのに、特に現代では、何故、古典的な芸術を志向する傾向にあるのかを、説得力をもって論じられている。それを踏まえた上で、便器や、商品を詰め込む段ボール箱と言った現代芸術(前衛芸術?)が、モナリザやヴィーナス誕生等の著名な絵画に象徴される、既成の古典的芸術概念に対する「問題提起」であり、「美学の世界」に造詣の深い専門家が「哲学的思索」を行なって「芸術的価値の有無を決める」と論じられている。ただ、近世においては、コンテンポラリーな芸術が比較的ポピュラーであり、むしろ、現代において、「古典的芸術の人気、現代的芸術の不人気」が指摘されている箇所は、とても興味深い。そして、近世を中心とする美学を深く理解する為に、「西洋美学史」の知識が重要である事が、示唆されている。本書の巻末には、更に深く美学を学びたい意欲的な読者の為に、参照文献リストが掲載されている。評者は、専門が法哲学、政治哲学であり、美学に関しては、全くの「門外漢」であるが、本書の内容を理解するのに、特に苦労はしなかった。従って、本書は、美学の初心者におススメである。

下の方が書いていますが、私もタイトルで「堅苦しくてつまらなそう」と思っていて、読んでいなかった一人です。

読んでみると、これが意外に面白い。

美学って何ですか、みたいなところから、デュシャンの「泉」(トイレをひっくり返したもの)やウォーホルの「デルモンテ・ボックス」(段ボール箱をそっくり再現したもの)がなぜ芸術といえるのか、など、一般人の持つ疑問にも答えてくれます。

個人的には、2章のセンスについての話、4章のコピーと本物の話、9章のこれからの美学の話がよかったです。

この本が自分の好みと合わなかったら、筆者も推薦書のところに書いていますが、今道友信「美について」を読んでみるといいでしょう。0

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