あなたの子どもを加害者にしないために―思いやりと共感力を育てる17の法則― の感想

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タイトルあなたの子どもを加害者にしないために―思いやりと共感力を育てる17の法則―
発売日販売日未定
製作者中尾 英司
販売元生活情報センター
JANコード9784861262128
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

絶版の本書であるが、復刊ドットコムというサイトにて復刊が決定した。2008年6月8日に秋葉原通り魔事件が起きて以来、私もその一人だが多くの方が事件を読み解くカギを本書に求め、要望が高まったことを受けたようだ。結果的に本書の復刊を後押ししたのが、再び起きた痛ましい事件だったというのが何ともやりきれないが…。

少年Aの家庭に潜んでいた病理。全てのヒントは「少年A」この子を生んで……という両親の手記の中に隠されていた。著者はカウンセラーの視点から、一見何ということはない両親の言動を見逃さずにとらえ、丁寧に解きほぐしてから再構築し、全く違った物語、メッセージを浮かび上がらせてみせる。するとまるで推理小説のように、パズルのピースが1つずつはまりはじめる。少年Aが両親から何を与えられ、何を奪われていたのかを知るにつけ、酒鬼薔薇の誕生は半ば必然だったのだと思わずにはいられない。Aを先天異常とする精神鑑定結果もあったと思うが、それが主因かどうかは別問題で、本書を読んだ後にそこを見誤る人はもういないだろう。「祖母が生きていたら酒鬼薔薇は生まれただろうか」との問いは示唆に富んでいる。

酒鬼薔薇事件以降も、家族病理に根ざした悲しい事件が後を絶たない。怖いのはそうした家族病理が、誰もが陥りやすく、またはまっても気づきにくい落とし穴であることだ。しかし「知ることは力になる」と著者は言う。Aを蝕んでいた心理学的にネガティブな親子関係(ディスカウント、心理的ネグレクト、ダブルバインド、母子カプセル、共依存、ノンストローク等)を白日の下にさらし、そのメカニズムを解き明かした本書は、我が子を加害者にしないための大きな力になってくれるだろう。

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