ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場 の感想

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タイトルルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場
発売日販売日未定
製作者布施 祐仁
販売元岩波書店
JANコード9784000221948
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既に内容の濃いルポ『日米密約 裁かれない米兵犯罪』をものにしている著者が原則仮名の人々から聞き出した本音と叫びをレポート。原発作業員が「使い捨て」られる現実、被爆を「食った」と言う奇妙さを描くことから始まる。

第一章では原発事故の実態を現場にいた東電社員、東電協力会社社員、孫請け親方、孫請け社員などの体験から見る。菅首相が東電本社に乗り込み「覚悟を決めよ」と吼えた時、現場では「誰が逃げるか」。現場で命がけで緊急作業に従事した者には相応しい名誉と待遇が与えられるべきであるp42。第二章は作業員が宿泊するいわき湯本温泉に赴き、路上・コインランドリー・旅館・居酒屋と取材を重ね、<能率第一・安全第二>p67と言われるずさんな安全管理・被爆管理の実態を暴く。さらには被爆と引き換えに責任感と士気に支えられて続けられる作業、問題は自己責任で片付けられても他方で「やりがい」と「誇り」p83を体得した人々。第三章では31000円が11000円に削られるピンハネのからくりに迫る。線量が高く極めて危険な三号機建屋屋上を「203高地」と呼んだ<特攻作戦>p111に参加した人々の笑えない冗談。第四章では原発労働の重層下請け構造。偽装請負がはびこり暴力団の参与さえ例外ではない十次にも重なる構造。双葉町を訪れた著者は「風の谷のナウシカ」に出てくる「腐海の森」p120を連想する。「死の街」発言で首を取られた大臣がいた・・・。第五章ではじめて実名で語る人々が。それぞれの命を賭けた実話。イチエフで死亡した大角信勝の妻カニカさんをはじめとした群像である。最終章では大飯原発再開を巡る現場からみる複雑な思いと官邸前デモに対する<距離感>と<違和感>にも言及する。これが現実なのだ。

最後に湯本駅前のコンビニ店主(女性)の言葉「この人たちが来てくれなかったら原発事故は片付かないわけ・・・私たちは直接行けないので、後方支援ですね」p190が心に響く。0

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