「家族」と「幸福」の戦後史 (講談社現代新書) の感想

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タイトル「家族」と「幸福」の戦後史 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者三浦 展
販売元講談社
JANコード9784061494824
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

 大都市の郊外や地方都市では一般的になった、モータリゼーションを前提にした社会。郊外に広がる住宅街、標準的な核家族を前提にした大量供給、大量消費の社会。

 著者は、最近10数年、今までなかった社会問題の根がここにある事を明らかにしました。標準的な核家族が、広まるにつれ、それまで心の中でくすぶっていたものが、大きくなり、社会問題になりました。アメリカに始まった社会構造の転換や社会問題が、20年遅れで日本に広まった歴史をひもといています。

 元来、宗教の規範が乏しい日本、新しい郊外住宅街では、昔からの規範を言う者はおらず、規範を言う者がいないから、子供には、善悪の基準が育ちにくいとの指摘。ごもっとも。

 自由なようでいながら、逆に、標準からはみ出たものに、違和感を覚え、はみ出ないようにと、真綿で首を締められているような、息苦しさを生み出し、外向きな若者には社会への反発を、内向きな若者には引きこもりを招き、夫は仕事、妻は家庭と言う役割分担を当然とする風潮と相まって、専業主婦には人生の空虚さと不安感になったと指摘。なるほど。

 最終章では、郊外型社会の壁を超えようとする萌芽にも触れています。今のサブカルチャーの健闘を予想していたかのようです。それから10年以上経った今、時代の閉塞感は深まるばかり。多様性の薄い社会、標準に偏りすぎた社会の脆さを証明しているように感じました。

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