コロポックルとはだれか――中世の千島列島とアイヌ伝説 (新典社新書58) の感想
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参照データ
タイトル | コロポックルとはだれか――中世の千島列島とアイヌ伝説 (新典社新書58) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 瀬川 拓郎 |
販売元 | 新典社 |
JANコード | 9784787961587 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » アイヌ |
購入者の感想
旅行で行った札幌の丸善の北海道コーナーでこの本を見つけた。うっかり見逃しそうだったが、タイトルを見て、ちょうど読んでいた鳥居龍蔵の「ある老学徒の手記」(岩波文庫)で、鳥居の先生の坪井正五郎がコロッポックル伝説と、実在したかもしれない民族のことに触れたくだりで、なんだかただ事ではないような記述があり、それと関連するかと思って、この本を買った。
本書を読んだところ、坪井の説は当時、おとぎ話を人類学に結びつけるものだとする反論があって、対立し、坪井の死後、徹底的にたたかれ、たぶん学問的権威主義のために、以後論じることができなくなったらしい。
しかし、瀬川氏のこの本は、改めて「おとぎ話」を検証し、この伝説の成立経緯と、千島アイヌの実情に迫っている。
日本が主張する北方四島を越えて、カムチャッカ半島まで続く千島列島に居住した民族の真実の姿を知ることができる。
本書を読めば、千島列島が文化的にひとつながりであることはわかるだろう。
記述は、整理されて非常にわかりやすくまとめられ、なおかつ啓発されることがたくさんある。
政治的領土問題を考える前に、ぜひ読まなければならない本だと思う。
本書を読んだところ、坪井の説は当時、おとぎ話を人類学に結びつけるものだとする反論があって、対立し、坪井の死後、徹底的にたたかれ、たぶん学問的権威主義のために、以後論じることができなくなったらしい。
しかし、瀬川氏のこの本は、改めて「おとぎ話」を検証し、この伝説の成立経緯と、千島アイヌの実情に迫っている。
日本が主張する北方四島を越えて、カムチャッカ半島まで続く千島列島に居住した民族の真実の姿を知ることができる。
本書を読めば、千島列島が文化的にひとつながりであることはわかるだろう。
記述は、整理されて非常にわかりやすくまとめられ、なおかつ啓発されることがたくさんある。
政治的領土問題を考える前に、ぜひ読まなければならない本だと思う。