Introduction to Algorithms の感想

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何をもって世界標準というかは難しいが，誰かが「この教科書が世界標準である」と言った時に，それを否定するアルゴリズムの研究者は少ないと思われる．地震が起きて本棚から落ちてきた場合，きっとタダではすまないだろうが，この本を読まずしてアルゴリズムについて勉強・研究するのもタダではすまないだろう．
英語自体は非常に平易で，計算機科学に関する多少の事前知識があれば，英語専攻でない学部3,4年生でも自力で読み進めることができる．「アルゴリズムとはなにか」「計算量とはなにか」を丁寧に述べているこの教科書は非常に貴重である．しかし，この分厚さ．まずはタイトルを眺めて，最初の数章を読み，あとは気になった，あるいは必要になった章を読んでいけばよい．
もちろんこの本さえ読めば良いという生ぬるい世界ではないが，まずはこの本でもって，計算機科学に関する基礎を頭に叩き込もう．そして，よりdeepな教科書，たとえば Garey & Johnson の Computers and Intractability や Navarro & Raffinot の Flexible Pattern Matching in Strings を読むなどして補完していけば良い．