The Grapes Of Wrath (Everyman Classics) の感想
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参照データ
タイトル | The Grapes Of Wrath (Everyman Classics) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | John Steinbeck |
販売元 | Everyman |
JANコード | 9781857151541 |
カテゴリ | » 洋書 » Special Features » all foreign books |
購入者の感想
日本人も苦労したけど,アメリカ人もずいぶん苦労したんだなあ,としみじみ感じさせてくれる一冊。
舞台は二次大戦前のアメリカ。
大資本による大規模農場経営の台頭によって零細農家の生活が圧迫されつつあった時期,それに追い討ちをかけるように大規模な砂塵嵐が発生して農作物が壊滅的打撃をうけるという事態が起こった。
流民と化した農民は職を求めてカリフォルニアへと大移動を始める。
しかし,希望の新天地カリフォルニアで実際に彼らを待っていたのは,さらなる貧困と差別であった。 流民の多くがオクラホマ州からやってきたことから,彼らは 『オーキー』 という蔑称で呼ばれたりした。 ひとつの人間集団が他の人間集団に対して抱く偏見や侮蔑感情というものは,いつの時代でもどこの国でも変わらない。
怪物のような時代の波にのまれてしまった人々の辛苦と,人間社会における差別とは何かということを題材にして,人間がもつ醜さと残酷さを,これでもか,これでもか,とばかりに読者にえげつなく突きつけつつも,その中に永劫不変の人間の営みの美しさと逞しさを垣間見せてくれる。
70年も前に書かれた作品だが,斧で叩き割ったような切り口の文体は現代にも通ずる斬新さであった。
舞台は二次大戦前のアメリカ。
大資本による大規模農場経営の台頭によって零細農家の生活が圧迫されつつあった時期,それに追い討ちをかけるように大規模な砂塵嵐が発生して農作物が壊滅的打撃をうけるという事態が起こった。
流民と化した農民は職を求めてカリフォルニアへと大移動を始める。
しかし,希望の新天地カリフォルニアで実際に彼らを待っていたのは,さらなる貧困と差別であった。 流民の多くがオクラホマ州からやってきたことから,彼らは 『オーキー』 という蔑称で呼ばれたりした。 ひとつの人間集団が他の人間集団に対して抱く偏見や侮蔑感情というものは,いつの時代でもどこの国でも変わらない。
怪物のような時代の波にのまれてしまった人々の辛苦と,人間社会における差別とは何かということを題材にして,人間がもつ醜さと残酷さを,これでもか,これでもか,とばかりに読者にえげつなく突きつけつつも,その中に永劫不変の人間の営みの美しさと逞しさを垣間見せてくれる。
70年も前に書かれた作品だが,斧で叩き割ったような切り口の文体は現代にも通ずる斬新さであった。