カミーユ・クローデル [DVD] の感想

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イザベル・アジャーニの演じている事を途中から忘れてしまうような
まるで本当にこんな人だったんじゃないかと錯覚してしまうほどの
熱演が光ります。
ロダンには家庭ももちろん大切だったと思いますが
彼女がいなかったら生まれなかったであろう作品が
数々存在しています。
彼女自身の作品もまた情熱を手向けてきた芸術品なのに
愛を得れない事での精神の均衡を崩していってしまう姿が
あまりにも哀れで、やるせない気持ちになってしまいます。

気持ちが抑えきれない愛に身を投じてしまった苦しさと
ロダンの正妻からの脅しも、彼女にとっては途中から狂気に
変わっていってしまうが、見ていて切ない。

ここまで人を愛してしまうからこその彼女の芸術性が
紙一重となって、彼女の心の闇を引き出してしまいます。
こうなると誰も救えないというのが、悲しい。

もっといい人いるじゃん・・・とか、あなたなら別のいい人がいるよ・・・
なんて言葉を吐ける人は本当に誰かを愛した事がないから
言えるのであって、彼女にとっては、ロダンがすべてだったんだなあと
苦しくなりました。

そう、見ているとまるでライブで見ているかのような錯覚を
覚えてしまいます。
映画だとじゃ、フィクションだとか、作り物だって事を
忘れてしまえるほどの演技力にただただ脱帽です。