日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化 の感想
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参照データ
タイトル | 日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山野井 徹 |
販売元 | 築地書館 |
JANコード | 9784806714927 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 地球科学 |
※サンプル画像
購入者の感想
フィールドワークで必ず見かけるクロボクといわれる表土、普通は火山灰起源と言われている。実際にそれに触れていると確かにポクポクしていて、「フーン、そうか火山灰か」で終わっていた。それでも、気持ちのどこかで「ちょっと違うよな」「こんな時期に、ここまで降灰した火山活動があったかなぁ」、なんとなく腑に落ちない中途半端な気分になるのであった。それが、この著者の長年の研究によって見事に暴かれた。著者は表土であるクロボク土を地層化したのである。その成因の説明から地層化される過程まで、大いに納得。
しかも、クロボク土の成因から山焼き・野焼きにまで到達し、縄文文化との関係にまで言及している。著者は、山焼き・野焼きを縄文時代の農耕の萌芽であると指摘した。しかし、せっかく、クロボク土の成因から山焼き・野焼きにたどり着いたのであるから、そこから縄文農耕に、もう一歩踏み込んで欲しかった。それによって、縄文農耕という縄文時代の大きな謎に、地質学から迫るきっかけとなりえたと思う。そのための問題提起としては、この山焼き・野焼きの指摘は重要な意味を持っている。
内容の大きさ・重要さにもかかわらず、その文章は丁寧でわかりやすい。
しかも、クロボク土の成因から山焼き・野焼きにまで到達し、縄文文化との関係にまで言及している。著者は、山焼き・野焼きを縄文時代の農耕の萌芽であると指摘した。しかし、せっかく、クロボク土の成因から山焼き・野焼きにたどり着いたのであるから、そこから縄文農耕に、もう一歩踏み込んで欲しかった。それによって、縄文農耕という縄文時代の大きな謎に、地質学から迫るきっかけとなりえたと思う。そのための問題提起としては、この山焼き・野焼きの指摘は重要な意味を持っている。
内容の大きさ・重要さにもかかわらず、その文章は丁寧でわかりやすい。