言語哲学大全〈4〉真理と意味 の感想

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タイトル言語哲学大全〈4〉真理と意味
発売日販売日未定
製作者飯田 隆
販売元勁草書房
JANコード9784326153657
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 言語学 » 言語研究・記号学

購入者の感想

哲学、論理学等非専門の一読者の感想です。

 『言語哲学大全』の最終巻です。私は言語学を勉強したことがあるので、本書の内容からして全巻のうち最も読みやすく参考になった巻です。
またさらに、最もまとまりのある巻でもあるように思えました。
 
 本書の主題は、言語の意味を真理に据えるドナルド・デイヴィドソンのプログラムを基にした日本語意味論(のサンプル)の構築です。
具体的には、明示的な自然言語の意味論は、それがM文というある特定のタイプの命題を定理として導出する(完全性を満たす)ような、有限的な公理論的体制を取り、
また合成性(おおまかに言って、文の意味はその部分の総和である、というテーゼ)を満たし、
実効的である(M文の導出は機械的手続きである)ことを満たさなければならない、ということが主張されています。

 というわけで、まず第1章で言語的意味と言語行為の違いが解説された上で、その後第2章から第4章にかけ、上記に挙げた公理論的意味理論の満たすべき
「有限性」、「完全性」、「合成性」、「実効性」といった特性の内容がそれぞれどういうものなのか、そしてこれらを満たすような意味論は具体的にどのようにしてつくることができるのか、
200ページ以上にわたって詳述されています。
その中でも、言語の意味がデイヴィドソンの真理概念とどういう関係を持つのかが述べられた第4章は特に大事な部分に思います。
 
 続く第5章では、前章までの議論の内容を反映した日本語の意味理論(のサンプル)の構築にいよいよ着手することになります。
この章は内容的には言語学でいう形式意味論と言えるものです。
飯田氏は前章にて、自然言語のモデル論的意味論に与しないような主張を展開しているので、この章では言語学で主流であるモデル論的意味論ではなく、ホモフォニックなデイヴィドソン的意味論です。
対象となる言語表現は易しいレベルのものです。構築されている意味論は、決して悪い意味での言い方ではなく、馬鹿正直ないし愚直と言えるほどの丁寧さで説明がされています。

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