紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典) の感想

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タイトル紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
発売日販売日未定
製作者紫式部
販売元角川学芸出版
JANコード9784044072049
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 日記・随筆

購入者の感想

ビギナーズ・クラシックスに「紫式部日記」が登場です。
現代語訳と原文を並べて表記してあるのはもちろん
他のシリーズよりも解説が充実していまして、読み応えのある一品になっています。
世は摂関政治最盛期、
藤原道長は宮廷支配の為に娘の彰子を一条天皇の中宮に差し出し
源氏物語作者の紫式部も女官として招聘されます。
式部は作家特有の目で道長の宮廷の出先機関である彰子のサロンを生き生きと描き出します。
私的生活がまったく無く、公的な生活ばかりで緊張感溢れる宮中サロン。
優雅さから程遠い描写なのですが、それもそのはず、
道長にとってはこのサロンこそは権力維持の為の宮中拠点そのものだと
解釈された解説は非常に面白い。
そしてその様子を作家の目だけではなく
道長のスポークスマンとして式部は描いているのだ。
清少納言に対する視線は彼女を雇う道長のライバル政治家に対する牽制であり
彰子に対する視線は政局に巻き込まれた少女に対する同情の視線が垣間見える。
手紙の回し読みやサロンを訪れる高官の観察をしているあたり
宮中女官は文化の担い手ばかりではなく、政局の実戦部隊だったと感じられる。
あまりのサロンの殺伐さに愚痴る式部の文も感慨深い。
この本を読むまで、紫式部は割りと高慢な部分も持っていたのかな?と思っていましたが
張り詰めた彼女の職場のサロンの空気や、彼女自身道長のスポークスマンであったが為に
ああいった態度の文章を残さざるを得なかったのではなかったのかと思えてきました。
それほど宮中の競争は激しい。
もしかしたら江戸時代の大奥よりも遥かに恐かった世界だったのでは?と感じさせる本です。

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角川学芸出版から発売された紫式部の紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)(JAN:9784044072049)の感想と評価
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