薬の相互作用としくみ 全面改訂版 の感想

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参照データ

タイトル薬の相互作用としくみ 全面改訂版
発売日販売日未定
製作者杉山 正康
販売元日経BP社
JANコード9784822211462
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 薬学 » 薬剤学・臨床薬学

購入者の感想

 大型書店の医書・薬学書コーナーを訪れて類書を片端から眺めてみたら一目瞭然だ。実際に医薬品が使われている臨床現場に、これほどまでに即して薬剤の相互作用やその機序を網羅的かつ詳細に解説した本は見当たらない。大学医学部基礎系講師から薬局薬剤師に転じるという編著者の経歴ゆえ、薬学部教官が著すアカデミックな薬学書とは一線を画する。

 最新の医薬品添付文書や学術論文、成書などに基づく相互作用の発現機序に関する最新知見とともに、全面改訂版からは著者が経験した症例も多数盛り込まれ、薬物相互作用が患者にどのような症状として発現し、薬剤師が実際の現場でどのような回避法を取るべきかも理解できる実践的な内容となっている。

 主要な相互作用を発現機序別に分類し詳しく解説しているが、特に有用なのが図表類。併用禁忌・原則禁忌が発現機序別に、起こり得る有害事象とともに一覧表で整理されている。また、CYPの基質となる薬剤もその分子種ごとに一覧表になっており、その表を見れば処方薬と同じ分子種の薬をすぐに確認できる。

 薬剤師が処方箋を見て相互作用の可能性に気づいたとき医師に連絡すべきか否か迷う場面は少なくない。併用禁忌はともかく原則禁忌や併用注意の場合は、相互作用の起こりやすさや起きた場合の重篤性、患者のQOLなどを勘案し医師に連絡せず、相互作用により出やすい副作用症状を念頭に置き、注意深くフォローしていく場合も多い。作用機序から重大な相互作用の恐れがあると判断し医師に疑義照会する場合も、相互作用の発現機序を簡潔に説明し、相互作用の回避法まで提案できれば説得力を増す。

 編著者によれば、「真の薬剤師とは、実務を通じて薬に関する豊富な知識を身に付けた、いわば『薬のスペシャリスト』である。薬についての正確な知識の積み重ねが医療従事者間の信頼関係の基盤をつくり、ひいては患者との良好な関係をつくるもの」だそうである。価格は少々張るが、そんな「薬のスペシャリスト」を目指したいと思う薬学生、薬剤師がいたら、机上に置いておいて損はない本だ。

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