リクルート 挑戦する遺伝子 の感想

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タイトルリクルート 挑戦する遺伝子
発売日販売日未定
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532319885
カテゴリビジネス・経済 » 実践経営・リーダーシップ » 企業経営 » 一般

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購入者の感想

 リクルートについて書かれた本は多いが、本書が類書と違っているのはリクルートの未来に焦点を定めて書かれている点である。言い換えればこれまでのリクルート本は過去をテーマにしてきた。凄い企業だということを人物と出来事を中心に書いていたのだ。そのため創業者の江副浩正について多くの紙面が割かれたのは当然である。しかし、本書を執筆した日経記者の関心は過去ではなく、もっぱらリクルートの今後の展開に向かっている。創業以来の歴史と現状にも半分のページを費やしているが、そのねらいは経営のポリシー、経営手法と企業文化を明らかにし、リクルートの今後を予測するためである。何故ならば、株式市場のみならず社会全体が数か月前に上場を果たした企業の「今後」に強い関心を払っているからである。

 1兆4000億円の債務返済の重責によって大規模投資を封じられた「失われた10年」はリクルートの成長に大きな打撃を与えた。売上が国内に偏重し、同じくマッチングをビジネスとするグーグルに大差をつけられたのだ。株式上場による資金調達 の目的はこの遅れを取り戻すこと、すなわちグローバルの展開とITを駆使したサービス開発である。その方針の実現可能性を明らかにするために記者は海外にも飛んで数十名におよぶ取材と経営陣へのインタビューを実施している。

 リクルートは2020年に売上の50%、1兆円以上を海外で稼ぐ目標を定めた。最も海外進出が進む派遣領域において、リクルートはアメリカで買収した企業の業績を急伸させている。そこでリクルートの得意の経営手法であるユニット経営が海外でも有効であることを示した。派遣ではM&Aの強化によって世界一を望めるところまで来ている。問題は、国内の主力の事業である人材メディアや販促メディア等のマッチングビジネスであるが、この分野はインディード社の買収で緒に着いたばかりである。リクルートのグローバル展開の現状を詳しく取材しているが、その成功の可否を論じるには踏み込みが浅いと感じた。経済記者が書くのなら、リクルートの描くグローバル戦略を戦略論の見地から批評するとか他の成功企業と比較するなどして、広い視野から課題を指摘すべきではないか。

リクルート本はリクルートOBOGを中心にたくさん出版されているけれど、
我が強い方達が多く、読み物としては非常に面白いのだが、客観的に論じられている本が少なかった。
今回は日経新聞社からの出版という事で比較的客観的に論じられており、
創業〜現代にかけてリクルートがどんな会社なのかを知るには一番いい本だと思います。
過去のある意味伝説化されているOBだけではなく、
最近の若手で活躍している方まで幅広く紹介してありました。
リクルートが今後どう進化して行くのか未知数ですが、期待したい会社です。

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