サンガジャパンVol.19(2015Winter) の感想

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参照データ

タイトルサンガジャパンVol.19(2015Winter)
発売日販売日未定
製作者ティク・ナット・ハン
販売元サンガ
JANコード9784865640045
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購入者の感想

高評価のレビューを読んで購入したけど、良き入門書、ぐらいが等身大の評価かと思う。

本文が4ページ弱しかないのにタイトル・導入に2ページとってあってズコーッとするのがあったりする一方、
永沢哲さんと井上ウィラマさんの対談など非常に興味深いものがあったり、各寄稿の質はけっこうバラバラ。

ちょうど今日読んだ、山下良道師の「ティク・ナット・ハンのマインドフルネスと仏教3・0」の後半に、
観察する主体と観察される客体、青空と雲の比喩が出てくるんだけど、
観察する主体を「雲としてのわたし」と描写するなど、観察される客体としての雲と、観察する主体の描写がごっちゃになってるのが残念。
読んだ人は混乱するんじゃないかな。

主客がほどける前の観察する主体は、「まだ青空なんだと気づいていない青空としてのわたし」ぐらいが適当な描写だと思う。

通常の『サンガジャパン』は雑誌形式で、特集はあるものの、連載記事などがありますが、今回は来年来日予定のティク・ナット・ハン師(以下、ハン師)の大特集号ということで、通常の連載は全て休載です。

ですので、連載記事を楽しみにされている読者の方は、購入の前にお気をつけください。

ただし、上記のように連載記事をバッサリ切り落とし、ハン師の記事一色にしたことによって、現時点での究極の「ティク・ナット・ハン読本」といえるような完成度に仕上がっています。

記事の一つ一つが珠玉の一品と言えるもので、甲乙つけがたいですが、まず、なんといっても貴重なのは日本におけるハン師の本の翻訳の第一人者である島田啓介氏による「ティク・ナット・ハン年表」「ティク・ナット・ハンの軌跡」の2つの記事でしょう。

欧米では、ダライ・ラマ法王と並び知名度があるハン師も、日本では未だに体系的な紹介がなされてきませんでしたが、この2つの記事が、今後ハン師を理解する上での日本語で書かれた基礎資料として、一つの道標となることは間違いありません。

そして、ハン師の瞑想実践という側面から最も注目すべき記事は、ワンダルマ僧の山下良道師による「ティク・ナット・ハンのマインドフルネスと仏教3・0」でしょう。

これを読んで、「えっ、『青空の瞑想』を提唱している山下師がなぜハン師と接点があるの?」と思う読者の方がいるかもしれません。

けれども、山下師は島田啓介氏の瞑想の師であるという事実からも分かるように、ハン師の瞑想の本質的な部分の理解者という意味では、日本に並び立つもののいない人物であると評者は思います。

そんな山下師によるハン師の記事は、大変興味深いものです。

それ以外にも、グーグル社のビル・ドウェイン氏の記事や、森竹ひろこさんによるプラムヴィレッジ滞在記など、上質な記事が盛りだくさん。

ティク・ナット・ハン師のファンなら、必携の一冊と言えるでしょう。

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