「超常現象」を本気で科学する (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル「超常現象」を本気で科学する (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者石川 幹人
販売元新潮社
JANコード9784106105715
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 超心理学・心霊

購入者の感想

 本書は、タイトルのとおり、超常現象を真面目に考察した本であり、主に次の3つのパートに分かれています。
(a) 幽霊をめぐる非科学的主張に反論
(b) 超能力現象(テレパシー、透視、念力など)を半信半疑で検証
(c) 超常現象を感じる人にとって、社会的にそれどう活かしていくかを考察

 このように著者は、(a) 幽霊については否定的、(b) 超能力については、外国を含めてこれまでの実証実験の結果、一定の可能性がある、そして、(c) それらを社会的にどう生かしていくかが重要、というスタンスで本書を書いています。
 何十年も前に、つのだじろう氏の「恐怖新聞」というコミックがありましたが、そこに書かれていたこと(幽霊やポルターガイストや悪魔、UFO、超能力など)がどの程度真実と言えるかを記述したような本です。

 私はそれなりに興味深く読みましたが、人によってはこのようなテーマは最初から受け付けない人もいるかもしれず、読者によって評価が分かれる本かもしれません。
 しかし、本書のように超常現象を真面目にバランスよく捉えた本はあまり他では見当たりません。超常現象について考えるきっかけになる貴重な本と思います。

 著者の石川幹人さんは、1959年東京生まれ、1982年東京工大卒、情報工学者で日本における超心理学研究の第一人者です。
 本書のタイトル、そして、紹介文を読むと、幽霊、テレパシー、透視、念力 等のいわゆる超常現象を
 科学的に解明した本のように思えますが(当然そのような記述もあります)、本書はそれをメインにしたものではありません。
 超常現象について、今現在、何がどこまで分かっているのか、何がどのように謎なのか、
 さらに、、超常現象が存在するか否か ということではなく、それらが私たちの生活で意味があるか否か ということを考察した本です。
 一応、幽霊、お守りの効用、ツキとスランプ、幽体離脱、金縛り、テレパシー、ポルターガイスト、こっくりさん、UFO,宇宙人の目撃、 
 等の超常現象について、著者の考える科学的な解明がなされています。
 特に興味深い点は、スポーツ選手のいわゆるゾーンに入る体験についての考察が興味深いです。これは、球が止まって見える、
 シュートのコースが見える・・・などのいわゆる無心の状態で、様々な技能の発揮が無意識へとゆだねられた状態です。
 これは、武道が目標とする精神的な境地とよく似ていますし、経営者のフロー体験とも類似しています。
 また、これらは、創造・発見の創造的作業を無意識が担うという点でも類似性があります。
 本書は、超常現象をオカルトなどと一笑に付すことなく、それに起因する創造的発想を、 いかに日常生活に活かせるかを考えた本と言え ます。
 
 

日本で科学的に超常現象を研究している懐疑主義者の工学博士と言えば
著者をおいてほかにない。

超常現象の研究が進まないのは事例に嘘が多いからである。
「ないもの」は研究対象にならないが、
わずかながらあるという(統計的に優位な)結果も
透視などでは出ているのである。

しかし、没論文問題というのもある。
超常現象はあるという仮説を立てた研究において、
ない、という結果が出てしまった場合
その仮説は破棄され、世に出ることはない。

あった、という論文の背後に潜む膨大な、なかったという没論文。
論文のメタ分析をしようにも、これでは統計にならない。

今この世界では、没論文も発表するというのが決まりになりつつある。0

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