憲法への招待 新版 (岩波新書) の感想

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芦部憲法を受け継ぐ正統な憲法学者の手によるもので、芦部先生以後の議論も取り入れている。たとえば、自然法で人権を基礎づけず、過去の人間の悲惨な歴史をあげるところなどは独自性だろうか。

ただし、いくつか疑問点もある。
１、８月革命説の説明。安倍政権の改憲論に対する批判にはなっていないのでは？安倍革命が起こったら憲法学者は何も言えないように読めます。
２、外国人の地方参政権の説明。判例の傍論であることに触れずに、あたかも拘束力があるかのような叙述は法律家としてはいかがなものでしょうか。活動家ならまだしも、法律家としてはやってはいけない行為ではないでしょうか。
３、私人間効力の説明。いじめをなくすためには法律をつくれ、なんて本気ですか。いじめの本質に踏み込まずに法律をつくれば解決するなんて考えているようでは、全く現実味を感じません。そのような人の憲法の説明も胡散臭く感じられてしまいます。
……

まだ途中ですが、ちょっと他の本を読みたくなりましたので、ひとまず感想としては、非常に優れた憲法入門であることは間違いありません。
長谷部先生の憲法入門も面白いけど、こちらの方が法学的にはオーソドックス。
最初の一冊として、ぜひご一読を。