戦国武将と男色―知られざる「武家衆道」の盛衰史 (歴史新書y) の感想

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参照データ

タイトル戦国武将と男色―知られざる「武家衆道」の盛衰史 (歴史新書y)
発売日販売日未定
製作者乃至 政彦
販売元洋泉社
JANコード9784800303035
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

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購入者の感想

戦国時代の衆道については、渡邊大門氏が著作内で嘆いたように資料が「ほとんど見受けられない」らしく、その内実・政治への影響など真相に迫りたい者にとっては、客観的かつ公平な研究著作を得たい最大の「謎」分野なので、非常に期待の持てるタイトルと思い購読しましたが…。
結果、衆道どころか「男色」に対する嗜好上の「否定派」の理解におもねる、一個人の見解書でした。
たしかに俗説ばかりあふれる分野なのでそれらを一から見直すためのこういった「意見」提起は必要ですし、新たな発見の助けにはなりましたが、結局それらも現代人である著者の憶測に過ぎない結果に終わっています。
要するに、有名な俗説は「すべて否定」のスタンスです。
自説…というより昨今の戦国ブームによる女性たちの憧憬に辟易している男性読者に向けた、賛同・支持派を得るための内容なので、読み手に誤解させる文脈・表記の箇所もみられました。
(例・上杉景勝の養子取得の件。これは政治上形のみとして一時的に行われ直後に解消された、武家当主としてとるに足らない出来事ですが、あたかも「衆道には縁のない人物」の証拠のように、唐突に書かれています。もとよりその時期自体がここで登場するには不適切なものです)

なので、この本は「腐女子の横行に嫌悪する男性歴史ファンの溜飲を下げるための書」といえます。
個人的には、百瀬明治氏や戸川淳氏らの著作のほうが、より公正で冷静、かつ的を得た「分析」をされていると思います。

男色にまつわる裏話的なお話かと思いきや、『男色である』と言われていることに対しての信憑性を考察した読み物です。改めて冷静に男色を考察することができる新鮮な本でした。

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