フランクリン自伝 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトルフランクリン自伝 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者フランクリン
販売元岩波書店
JANコード9784003230114
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 科学史・科学者

購入者の感想

フランクリンの名前に初めて触れたのは、子どもの頃の科学図鑑で雷雲の中に凧を揚げた人、という記述でした。
なので科学者だと思っていました。
本書のあとがきに「アメリカ建国を知る上で最適の書」と書かれていて、それは確かに納得なのです。
では私がどういう経緯で本書を手に取るに至ったかというと、まず「アメリカ人はなぜああいう風なのか」に関心を持った訳です。
どうやらそれはプロテスタンティズムと関係が深そうだと思い、そっちの本などを読み、続いてアメリカの反知性主義に関する本を読み…。
そんな中でアメリカ建国の物語に多少なりとも触れ、運良くボストンに出張する機会にも恵まれ。
さて建国に関わった人に関する本はないかと探してみると、本書が一番手軽に手に入ったと。
雷が電気であると発見したくだりを読んで「ああこの人だったんだ」と懐かしかったっていう。
ついでに言うと、反知性主義の本にもフランクリンは、ホイットフィールドの説法を聞いて喜捨をしてしまったというエピソードで登場。
本書にもそれは書かれていました。
こっちがネタ本なのでしょう。
そんな紆余曲折を経ず、まっすぐに本書に辿り着く人っておられるのでしょうか。
ところでこの方、大変な偉人なのでしょうが、それを謙虚な筆致で書いている。
当たり前のことを当たり前にやっただけなんですよ、という調子で書いているけれど、決してそんなもんじゃない。
偉業がきら星の如く列挙されている。
他の人の手柄も自分の手柄にすることなく、正直に「あれは誰々が最初にやったのである」と書いている。
本国イギリスと植民地アメリカがだんだん険悪になっていく経緯もそれなりに理解できる。
自伝なので盛ってある部分もあるでしょうけれど、読みやすいし内容も飽きないです。

13徳目が有名すぎますが、それ以前の「人付き合いのしかた」についてあらゆる角度で述べられていて面白い。観察眼がよほど優れていたのだろうが、どのようにしたら人は思うように動いてくれるかということがかなり詳細に書かれている。

とにかくひとつひとつのアイディアが常人のそれとは違うのだなといちいち感じさせられるのだが、根底にあるのはとにかく勤勉に働きなさいよ、ということに尽きる。

そして、たまには脇目もふらず自分を陥れようとした人間に返り討ちをしようとする人間らしさを隠そうともせず戦功のように語り掛けてくる。

訳者の方がよほど優秀なのか、古典のものにしてはかなり読みやすい文章なのも印象的です。索引も丁寧で編集の力量も感じさせてくれる。0

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