サンリオSF文庫総解説 の感想

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参照データ

タイトルサンリオSF文庫総解説
発売日販売日未定
販売元本の雑誌社
JANコード9784860112608
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 日本文学研究

購入者の感想

全201冊(装画違いを含む)を網羅したカラーギャラリーがまず壮観。
創刊当時は中学生だったので、リアルタイムに購入したのは20冊に満たない。故に久々に目にする個性的なグラフィックの懐かしさに胸が熱くなる。
山野浩一氏の回顧談は早川書房との軋轢など当時の日本SF界を取り巻く事情が偲ばれ、翻訳出版の裏面史としても貴重。廃刊の理由がサンリオの株式上場に伴う銀行の圧力というエピソードには今更ながら憮然とする。
そしてP・K・ディックやバロウズの再評価に果たした多大な貢献など、その意義を賞賛しながらも翻訳の不出来や拙速な出版計画への批判など礼賛一辺倒でないフェアな編集姿勢には好感が持てる。
ル=グインやオールディスに混じってキリル・ボンフィオリの『深き森は悪魔のにおい』やピーター・ディキンスンなどのビザールでひねくれた作品がラインアップされている混沌ぶりが個人的には気に入っていたが、鏡明氏が述べられているように全体像を統括するプロデューサー的存在がいなかったのがサンリオSF文庫の非運だったのかもしれない。
他社で再刊された本、これから出版が見込まれる本もレビューされているので、これは単なる懐古本ではなく、未来にも開かれているガイドなのだ。

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