親日派のための弁明 の感想

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　韓国で出版されるやいなや「青少年有害図書指定」を受けてしまい、

一般の書店で韓国民が入手することが不能な書籍とのことです。

　日本人である私にとっても、日韓併合の前後の歴史概説書として、

古来から今日に至るまでの朝鮮民族誌として、重宝な教養書となり

ました。瑣末な例ですが、現在NHKで放映中の『宮廷女官チャングム

の誓い』で、なぜ李朝国王に対し臣下達が「陛下」でなく「殿下」と

呼びかけるのかの理由も、本書は教えてくれます。日本語訳もきれい

で、すらすらと300ページを読み通せました。

　しかし、本書の一番の読者であるべきはやはり韓国の人々でしょう。

書店店頭に並べて買う買わないの選択を委ね、読んだ一人一人にその

内容の賛否・批評を任せるのが、成熟した市民社会の在り様だと信じ

ますが、21世紀になっても韓国では政府が率先してその逆を突き進む

ようです。

　こと日本との関係となると紋切り型のスローガンを並べ立てられ

辟易として話し合う気持ちすらもてない隣人と、考え方や歴史認識の

中身を落ち着いて議論し合える日はいつになったら来るのか、寒々し

い思いが残ります。