愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書) の感想

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タイトル愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)
発売日2011-09-16
製作者岡田 尊司
販売元光文社
JANコード9784334036430
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

私は対人関係でトラブルを起こし悩むことが多いです。理由が分かるような分からないような、とにかく自分に原因があるのだろうと思って、言動を改めるのですが、時間の長短こそあれ必ずトラブルになったり、疎遠になったりします。母親から邪険にされ否定されて育ったので、自己肯定感が低く、そこに原因があるのは分かっていました。結婚して子供を持ちましたが、子供はとてもいとおしく、自分と同じ思いをさせたくないのに、でも子供に対してヒステリックに当たってしまうことが多くて悩んでいました。この手の本を何冊も読み、有料の育児講座を受け、相談等もしましたが、結局どう克服したらいいのか分からずいました。この本を読むきっかけになったのは、仲良くしていたママ友達から距離を置かれ、そして最近になって罵倒されたことでした。やり切れなくなってネットで色々調べているうちにこの本にたどり着きました。
今まで何冊も読んだ中で、ここまでしっくりきた本はありません、自分のタイプと傾向を客観的に見ることができて、そしてどう克服していけばいいのかが書かれています。
克服方法は容易ではありませんが、納得できるものです。
(ちなみに、母の事を恨んではいません、母は母で問題を抱えていたんだな、と思っています。
今の関係はほどほど良好です)
本の内容は他の方が分かりやすく書かれている通りです。
読みやすく理解しやすく書かれています、一気に読めます。
偉人たちの例は、ちょっと多く使用しすぎですし、かなり昔に死んでしまった人たちの事をこんな風に分析しても、それが真実なのかどうかはわからないのになぁ、とも思いますが
随所で出てくる「傾向」には、ドキリとするものが多いです。

巻末に愛着タイプの診断テストが付いています。私は恐れー回避型でした。
このタイプは、人を避けて一人で過ごしたいという思いがある一方、一人は不安で誰かと一緒にいたいという矛盾を抱えています。

タイトルが「愛着障害」。
サブタイトルに「子ども時代を引きずる人々」とあります。

人は、生後六ヶ月からだいたい3歳くらいまでに、
ある特定の人物と「愛着関係」を築くと著者はいいます。
たった一人の人と信頼関係を結び、
その信頼関係を結んだ人を「安全基地」として、
少しずつ少しずつ、世界を広げていく。

冒険心を持って一歩外に出て、もし痛い出来事が起きたら、
泣きながらその「安全基地」に戻ればいい。
そこでは必ず自分は愛されていて、かならず抱きしめて
なぐさめてもらえるから。
そうして十分甘えたら、また外の世界に冒険の一歩を踏み出す。
そうして人というのは自分の世界を広げていくのだ、と。

そして、この本は、その「安全基地」を持てなかった人の話です。
バラク・オバマもビル・クリントンも、谷崎潤一郎も太宰治も
そしてあのステーブ・ジョブズも「愛着障害」だった、
と、数多く人の人生をひもときながら、
「愛着障害」とはどんな障害か、そしてどんな特徴があるかを
著者は描いていきます。

夏目漱石もA・ヘミングウェイも、M・エンデも。
精神分析家のE・エリクソンも放浪の俳人・種田山頭火も。

読みながら、泣いてしまいました。
私も、「安全基地」を持たないままに大人になったひとりです。
うつ病も経験しました、そして私には認知療法も
カウンセリングも効かなかった。
なぜ「愛着障害」の人に認知療法やカウンセリングが
効果がないのか、それも書いてあります。
今の精神医療には「愛着」という視点が抜けている、と。
そこに注目しなければ治らない人々というのがいるのだ、と。

「根源的自己否定感」という言葉が、私にはぴったりでした。
何年もセラピーを受け続けてもまだ生きづらい人、
カウンセラーやセラピストを志す人やその職業の人に
ぜひ、読んでいただきたい一冊です。0

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光文社から発売された岡田 尊司の愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)(JAN:9784334036430)の感想と評価
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