自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝 の感想

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タイトル自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
発売日販売日未定
製作者レスリー デンディ
販売元紀伊國屋書店
JANコード9784314010214
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 科学史・科学者

購入者の感想

この本に紹介されている10人の科学者たちは冗談で実験をしたわけではないことを最初に断っておく。タイトルがしゃれっぽいのでインチキ本かと思うなかれ。それぞれの科学者はいたって真面目、そしてなによりも人の命を救いたいという大望の持ち主であった。

並外れた探究心、人の役に立ちたい・・でも動物で実験するのはどうもデータが不確実。そうかと言って誰かに頼むわけにもいかない。なにしろ命を落とすかも知れない実験なのだから。ならば自分でやってしまおうと思ったとしても不思議はない。主に19世紀から20世紀に活躍した科学者、医学者の実験の内容とその結果を紹介してある。

キュリー夫人を知らない人はいまいが、彼女もまた自分の体を犠牲にしてまでラジウム研究に身を捧げた。さまざまなものを飲み込んで人体の消化のメカニズムを解明した人、ウイルスを持つ蚊に自身を吸血させて黄熱病解明の手がかりをつかんだ人(死んでしまった)、病原菌に汚染されたメスで自身を傷つけ、感染症を発症させて記録を取った医師(死んでしまった)、心臓カテーテルを自分に挿入してX線を撮った医師(のちにノーベル賞受賞)、人がどの程度のGに耐えられるかを試した者。洞窟にこもって数ヶ月すごした女性。彼らに共通して言えるのは「人を救いたい」という使命感と並外れた探究心だ。我々現代人があたりまえのように享受している医療や科学の大本にはこのような命知らずの一見無謀とも思える実験があったのだ。

たいへん読みやすく面白い本だが、くれぐれもよい子はまねしないように。

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