いつでも会える の感想

261 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトルいつでも会える
発売日販売日未定
製作者菊田 まりこ
販売元学習研究社
JANコード9784052010552
カテゴリ » ジャンル別 » 絵本・児童書 » 絵本

購入者の感想

 おととし中米ホンジュラスを訪れたときに、首都テグシガルパ市にあるカトリック聖堂の脇にある墓地をたずねたことがあります。墓石には残された家族が故人を偲んだ言葉がスペイン語で刻み込まれているのが特徴で、そのどれもが胸を打つものでした。わけても私の心を強く揺さぶったのは次の言葉でした。
「人は忘れられたときに本当に死ぬ。だからキミは決して死にはしない。」

 本書「いつでも会える」を読み終わったときに感じたのは、これはあの墓標の言葉が意味することを形をかえて提示した本だなということです。自分にとってかけがえのない人とは、小さな想い出のかけらの積み重ねで出来ていると私は強く思うのです。その人の肌のぬくもりや香り、特徴のある声…。
 やがてその人がこの世から消え去ってしまっても、自分の心の引き出しをそっと開けて、その中に整理もされぬままうずたかく積もった記憶の断片を、両手ですくい上げる。こうすることでその人をいつも蘇らせることができる。
 大切な人の限りある命がついえた時に、私たちは激しく動揺し、自然の摂理の理不尽さに対して強い憤りすら感じてしまうことでしょう。あまりの悲しみに打ちひしがれて二度と立ち上がれないと絶望感にさいなまれることもまれではありません。

 しかしそれでも私たちは歯を食いしばりながら、心の安寧と、逝った人への敬意とを保ちながら生き続けていかなければなりません。人の死を通じて知ったこの命の大切さを胸に刻みながら。
 本書はそんなことを考えさせてくれる絵本だといえるでしょう。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

いつでも会える を買う

アマゾンで購入する
学習研究社から発売された菊田 まりこのいつでも会える(JAN:9784052010552)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.