症例から学ぶ和漢診療学 第3版 の感想
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参照データ
タイトル | 症例から学ぶ和漢診療学 第3版 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 寺澤 捷年 |
販売元 | 医学書院 |
JANコード | 9784260013864 |
カテゴリ | ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 伝統医学・東洋医学 » 東洋医学 |
購入者の感想
漢方の初心者向けの教科書は数多いが、本書は現在我が国で実際に応用されている漢方医学(著者は和漢診療学と称するが)に関する尤も妥当かつ適切な教科書。私はいつも漢方内科の研修・実習を希望する研修医や学生に、実習に入る前にこの本をざっと1週間で読んでくるようにと薦めている。細かいところに拘らずざっと読み飛ばすなら本当に1週間で読めるからだ。一部中医学的五臓六腑概念も随時織り込みつつ、基本的には現在我が国で一般に広く受け入れられている漢方医学の基本概念を一つ一つわかりやすく学ぶことが出来る。その説明は著者独特の語り口や大胆な視覚化を伴っているとは言え、基本軸をしっかり抑えている。著者自身の症例を豊富に紹介することで初心者には具体的な「証」の臨床像を理解しやすくすると共に、中級者にとっても参考として学ぶべきところが多い。さらに重要な点として、本書は既に3版を数えるが版を重ねるごとに新しい臨床的evidenceが紹介されており、日々進歩する現代の漢方医学教科書としてあるべき形を示していると言える。初心者が1週間でアウトラインを掴むにも、中級者が繰り返し手にとって臨床の傍ら学び返すにも有益な書である。