世界に1つだけの子育ての教科書―子育ての失敗を100%取り戻す方法 の感想

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手元に届いてからすぐに読み切ってしまいました。
栗仁刈菜子（クリニカルサイコ）さんと教授の会話が抱腹絶倒な上に、内容や主張も整理されていて事例も豊富でわかりやすかったので。

タイトルの「世界に１つだけの子育ての教科書」は「大げさでは？」と思って読み始めましたが、読み終わると「その通り」だと感じました。
ストレス悪玉説の否定、暴力の結果は隔離、現在の道徳教育がなぜうまくいかないか、イネイブラーとイネイブリングなどという発想は、専門家として、言われてみれば「当たり前のこと」だけど、あえて口にしない、口にできないことだと思います。
そこをサクッと文字に書いてしまわれているところが痛快です。
著者は「これまでで一番厳しいことを書いた」と書いていますが、「厳しいなあ」というよりは、「よく書いてくださった！」という感じです。

専門用語もさらっと登場しますが、事例が豊富でけっして難しくないです。
「やりたければどうぞマインド」「まごころ行動査定法」「学習を促進する3原則」「自分から勉強する子になる法則」などなど、他にも多数、子育てにおいて重要な姿勢がわかりやすく紹介されています。

蛇足かもしれませんが、著者の子育て本は3冊目です。ハリウッド的に言えば「3部作の完結編」でしょうか（4冊目も期待したいところです）。
子育てに悩んでおられる方、専門家は3冊とも読むことをお勧めします。
同じ主張が一貫して繰り返されていたり、同じ事例が別の視点で書かれていたり、「ルールを守らせることが重要」と「ルール化し過ぎないことも重要」ということが前作（子育てプリンシプルや叱りゼロで・・・）それぞれで書かれていたり。
全ての子育てに共通する「正解」はないのでしょうが、ぶれない姿勢が学べると思います。