「即興詩人」のイタリア (ちくま文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 「即興詩人」のイタリア (ちくま文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 森 まゆみ |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480428257 |
カテゴリ | ジャンル別 » ノンフィクション » 歴史・地理・旅行記 » 紀行文・旅行記 |
購入者の感想
『即興詩人』は、「みにくいアヒルの子」や「マッチ売りの少女」などの童話作家として有名なアンデルセンの自伝的小説のドイツ語訳を森鴎外が日本語に訳したものであり、文語体(雅文体)で難しい漢字も多くて読みにくいが、本書は、その物語の主人公の足跡を尋ねて画家・安野光雅氏と共にイタリアを旅した著者による旅行記である。
鴎外の翻訳文を引用し、それを解説しながら作品に登場する名所旧跡や事件や出会いのあった場所を探し求める。地下鉄のキップを買うときの苦労話や、どこのホテルに泊まって、どこでどんな料理を食べたのか、こと細かく書いてあるのでイタリア旅行のヒントにもなる。私はローマの地図を広げながら読んだが、通りや建物の名前の由来など、ときには現地の図書館で尋ねて調べてもらったことを書いてあるので、ガイドブックなどに載っていない情報も少なくないし、イタリアの文化や社会事情などの記述も面白い。
鴎外の他の作品にも触れながら、そこに登場する人物の生い立ちや人間関係やストーリーの類似から、鴎外はそれらの作品のネタをこの『即興詩人』から取ったのではないかと著者は述べる。
著者は『即興詩人』の追跡のために結局4回もイタリアに行ったが、その境遇(ヒマとカネがあるからできること)がうらやましいし、そこまで惚れこむような作品に出会いたいものだと思った。
鴎外の翻訳文を引用し、それを解説しながら作品に登場する名所旧跡や事件や出会いのあった場所を探し求める。地下鉄のキップを買うときの苦労話や、どこのホテルに泊まって、どこでどんな料理を食べたのか、こと細かく書いてあるのでイタリア旅行のヒントにもなる。私はローマの地図を広げながら読んだが、通りや建物の名前の由来など、ときには現地の図書館で尋ねて調べてもらったことを書いてあるので、ガイドブックなどに載っていない情報も少なくないし、イタリアの文化や社会事情などの記述も面白い。
鴎外の他の作品にも触れながら、そこに登場する人物の生い立ちや人間関係やストーリーの類似から、鴎外はそれらの作品のネタをこの『即興詩人』から取ったのではないかと著者は述べる。
著者は『即興詩人』の追跡のために結局4回もイタリアに行ったが、その境遇(ヒマとカネがあるからできること)がうらやましいし、そこまで惚れこむような作品に出会いたいものだと思った。