栄光の岩壁(上) の感想

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タイトル栄光の岩壁(上)
発売日2013-05-10
製作者新田次郎
販売元新潮社
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戦前に幼少期を過ごした竹井岳彦は18歳のとき八ヶ岳で遭難し、凍傷によって両足先の大半を失う。足を奪われながらも強烈に山に引きつけられる岳彦。鴨居からロープをつるしての簡単な歩行訓練から始め、徐々にリハビリを重ねる。やがて”ない足”を蘇らせて、未登攀の岩壁を次々に征服し、日本人として始めてマッターホルン北壁を制覇する。彼にとっての登山の理由とは「そこに山があるから」という自然への征服欲だけでなく、半人前の足しか持たない自分が一人前以上の力を出せることを証明するための自己征服欲求があった。戦後の荒廃した空気の中でも熱くたぎる青年の血を感じることができるだろう。山岳小説の傑作。

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