子どもと性被害 (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトル子どもと性被害 (集英社新書)
発売日販売日未定
製作者吉田 タカコ
販売元集英社
JANコード9784087200959
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

性的虐待は、心身に深刻なダメージを与え、人生を狂わせてしまう。加害者は、被害者を完全に支配下に置き「いけないこと」をあえて越えることで強い快感を覚える。周囲は驚き強い戸惑いを感じ問題を直視できないでいる。

3~7歳の女の子にしか性的興味がわかない男性が実在する。
ロリコンや変態がいるのはまぁ100歩譲って仕方がないとしよう。
だが、周囲が被害者を助けないとはどういうことなのだ??
目の前で子どもが性被害にあっているのに、何の危機感も持たず傍観している周囲の大人に対して腹が立つ。対立をきらい、穏やかな人間なんでしょうけど、あまりにも無責任で無理解で無関心で、事なかれ主義。そして本当に無力。本来なら子どもを毅然と守らなくてはいけない立場なのに全く味方にならず、とても弱い。
勇気を振り絞って先生や親に告白しても、
「○○のせい」と責任転嫁したり「ふざけているだけでしょ。」と加害者側を擁護したり、時には「あなたがぼんやりしているから。あなたがかわいいから」と子どものせいにしたり、世間体を気にして見て見ぬフリをしたり、「あってはならないこと」なので「なかったことにしよう」として問題を封印したり、逃げ回ったり。
先生も「証拠がないのでなんとも」「あるわけない」と嘘つき呼ばわりしたり、「そっちが誘ったのでは」とあやふやな態度ですまそうとする。
母親ですら問題と真摯に向き合わず「犬にかまれたと思って忘れなさい」とか「たいしたことない」で片付けようとする。
どの大人も呆れるほど「問題に対して何もしない」のだ。
日本人は、いじめも国際間の問題も、似たような対応をしている。それが問題を悪化させている。
「問題に対して毅然と対応する」ことがなぜできないのだろう?
そのくせ、「大人の言うことを素直に聞きなさい。」「先生の言うことはいつも正しい」と教育しているので、
被害にあった子どもは「自分が悪いんだ」と自分を責めて、「話したら家族がバラバラになるかも」と考え沈黙を守るようになる。(だから性的虐待は沈黙の犯罪と言われる)そして心に傷をかかえたまま大人になり病気になったり仕事や人間関係でつまづく。

重い一冊です。
しかし、読む価値があります。いえ。読むべき本かもしれません。
私はこの本を読み返す度、辛くなったり、気分が悪くなったりした事が何度もあります。けれど、日本に於いて、性被害がここまで放置されている現状に唖然とし、やはり気分が悪くなりました。
「『性犯罪』は『いたずら』ではない」この言葉が重い真実として残ります。
子どもを持つご両親、学校の先生方等、子どもに関わる方は一読をお勧めします。またかつて性被害にあったあなたへもお勧めします。年齢、男女を問わずに。重い現実が在り、そこから何とかしなくてはという気持ちになると思います。

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