Kadokawa Art Selection レンブラント 光と影のリアリティ の感想

273 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトルKadokawa Art Selection レンブラント 光と影のリアリティ
発売日2011-02-25
製作者熊澤 弘
販売元角川書店(角川グループパブリッシング)
JANコード9784043944125
カテゴリ »  » ジャンル別

購入者の感想

 オランダの大画家レンブラントの生涯と彼の画業、作品の特徴等を代表作<夜警>等豊富な図版で紹介しながらまとめられた入門書風の文庫本です。
 私も本書で言及されている2002年の『大レンブラント展』は観させて貰ったので、読みながら展示室の壁に映画館のスクリーンのように掛けられていた巨大な絵画<サムソン>の大迫力を思い出して感慨を覚えました。有名な自画像や息子テティウスの絵、テュルプ博士の解剖学講義等も載ってますがルーブル美術館で観て感動した<ユディト>が載っていなくてちょっと残念。

 本書で扱われている作品は、現在開催中の『光と、闇と、レンブラント』展に出展されているものが多いです(とはいえ<夜警>は来ないですが!)。私はこれから同展を観に行くので、本書を鑑賞前の予習として有難く使わせていただきました。
 本書は、レンブラントが生きた時代のオランダ−故郷レイデンや工房を構えたアムステルダムは勿論、オランダ独立戦争(80年戦争)等のマクロな時代背景まで−の当時の芸術家の社会的地位や役割、影響、流行っていた絵画の様式やまた工房のシステムや経営の様子なども解説されており、時代の雰囲気を感じ取れます。
 また、欠点も多い一人の人間としてのレンブラントと、存命中・死後を問わず評価やキャリアの浮沈を経験しながらも(一般にレンブラントの生涯に関しては、私生活も仕事も順調な栄光の前半生、家庭崩壊と、リアリズムに基づいたレンブラント絵画が批判されていく悲惨な後半生というのが定説であったらしいですが、著者は同時代人から最後まで一流の画家として注文を受けていた事実などを挙げて、定説に異を唱えています)天才としてのレンブラント、両方の顔も知ることができます。

 当時レンブラントも自画像などで描いたトローニーという絵が流行したことや、レンブラントはエッチングも素晴らしいものを残しているということ、またラファエロやティツィアーノらイタリアルネサンスの巨匠たちから触発を受け彼等の描き方を研究して自分の画力を高めていたという事等は初めて知りました。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

Kadokawa Art Selection レンブラント 光と影のリアリティ を買う

アマゾンで購入する
角川書店(角川グループパブリッシング)から発売された熊澤 弘のKadokawa Art Selection レンブラント 光と影のリアリティ(JAN:9784043944125)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.