すく〜〜〜と! 1 (ジェッツコミックス) の感想

274 人が閲覧しました

どうも他のレビューは既に作者のファン（ワカコ酒？）ばかりのようだが、他作品を全く知らない者として率直にレビュー。
そんな自分の購入動機は、主人公と同じシグナス乗りという理由で衝動買いをしてしまった。
この漫画の内容はバイクあるあるをなぞっているだけのただの日常系である。
スクーターといえど、単なる移動の道具というだけではないナニカがあることが伝わってくる。
しかしバイク乗りが読んでもとりわけ目新しい話も面白い展開も今のところ無い。
この1冊の中で深く絡んでいるのが姉しかおらず、どこかへツーリングにいくわけでもなく、バイク仲間が増えるわけでもなく、淡々と1巻が終わってしまった。
（ただ今後2巻以降で免許取得してバイク仲間となるのであろうコミュ障メガネ女子が一人登場してはいるが…。）
漫画として別に嫌いではないが、話に抑揚は無く、続きどうなるの？と気になる類の漫画ではない。引き続き2巻を買うかどうか微妙。
600円もするのにカラーページがないとは思わなかった。非常に残念である。
絵柄は無味乾燥で好みが別れるだろう。本編は表紙以上に始終あっさりしている。一方バイクだけは気合が入っている。
おそらくこの漫画はどちらかというと、バイク乗りではない人に興味を持ってもらうことを狙ったものだと思うので、その層に評価されることを期待する。

「ワカコ酒」や「year！おひとりさま」を事前に読んでたので、てっきり今作の登場キャラも
ああいう「ユルい」キャラデザだと思ってたら、案外普通の造形だった点が好印象でした。

バイク作画は原作者の藤田氏（＆そのアシさん）によるものだ、と後書きでご本人が書いておられましたが、
3Dモデリングによるものっぽい描き方で、シグナスはデッサンの崩れとかはビックリする位にありませんでした。
その反面、CBR600RR等は手描きっぽく、デッサンが崩れかけてるコマとかありましたが・・・取材協力企業の中に、
バイクメーカーはヤマハしか名前が無かったので、多分ホンダ車は藤田氏かその関係者の所有バイクを
スケッチして描いたんだろうなぁ、と思いました。

お話的には「女子大生+バイク（原付二種スク）」の、ワカコ酒風味の「ライダーあるある話」でした。
特に主人公がコンビニの軒先で、思わず自分のバイクの写メをバシバシ撮って、悦に入るエピソードが
大変共感できて面白かったです。その他にも自分にも思い当たるフシのあるエピソードてんこ盛りで、
読んでて退屈しませんでした。また、主人公の姉もバイク乗りなのですが、結構真面目にバイクの
危険な部分を主人公に教え、ライテク指導なんかもしてみたりして、その点も好感が持てました。

・・・とは言っても、基本的にゆる〜いお話が多いので、バイクをよく知らない人でも充分楽しめると
思います。この漫画で、少しでも多くの人にバイクの楽しさ（ばかりじゃないけど）を感じて貰えたら、
とても嬉しいです。

個人的には、この1巻の途中でちょろっと出てきた、メガネの子（小出さん）がこの先、バイクとどういう
つきあい方をするのかな、それが作中で描写されればいいな、と思いました。

ただ、シグナスX-SRは今時の静かな4stスクーターなのに、1頁目から2st原付スクーターのような
排気音で、「これ藤田氏か担当編集さん的には指摘しないでも良かったのかなぁ・・・？」と、この点だけ不満でした。
（この点だけ修正してくれないかな・・・？）