「腰痛」は終わる! - 「世界の診療ガイドライン」に基づく最新の腰痛治療 の感想
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参照データ
タイトル | 「腰痛」は終わる! - 「世界の診療ガイドライン」に基づく最新の腰痛治療 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 長谷川 淳史 |
販売元 | WAVE出版 |
JANコード | 9784872902006 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 暮らし・健康・子育て |
購入者の感想
腰痛の治療について、いくつかの研究等を引用して様々な治療方法について考えが書いてあります。ただ、治療の具体的な方法というよりは効果等について考えを書いています。近年の流行であるEBM等を例にあげて書いている部分が多いです。著者自身の治療法についても体験記の形で書いています。
確かに現在の治療方法には効果がまだ不明であるものもあることから、心理面等のこれまであまり重要視されていなかったものについて試みることもよいかもしれません。
ただ、本の中でいくつか疑問点もあります。他の治療方法について著者はEBM等を例に挙げて批判をしていますが、自身の治療方法についてはEBM等の観点からの検討はされていません。EBMの基準では信頼性がはるかに低い体験等によってのみ自身の治療方法について紹介しています。
他の治療方法の批判の直後にこのような「効果があった」という体験記を載せてしまうと読者は誤解してしまう可能性がありますが、科学的な視点で考えれば、効果が質の高い研究で裏付けられていないという点で他の治療方法と著者の提唱する治療法は立場が同じであると思います。
また、文中で「物理療法」のことを「理学療法」と記していることなど、語句の誤りもみられます。そして本当にEBMの基準に従うのであれば、個々の研究ではなくそれらを統合したメタアナリシスの結果を重視するべきであり、この点についても疑問が残ります。例えば慢性期の腰痛に対する運動療法では、メタアナリシスを行った例では効果が「strong evidence」で裏付け(Aランク)られている例もあり本の中で書かれている文から受ける印象とは異なります。
このようなことを考慮して本の内容を判断する必要があると思います。
確かに現在の治療方法には効果がまだ不明であるものもあることから、心理面等のこれまであまり重要視されていなかったものについて試みることもよいかもしれません。
ただ、本の中でいくつか疑問点もあります。他の治療方法について著者はEBM等を例に挙げて批判をしていますが、自身の治療方法についてはEBM等の観点からの検討はされていません。EBMの基準では信頼性がはるかに低い体験等によってのみ自身の治療方法について紹介しています。
他の治療方法の批判の直後にこのような「効果があった」という体験記を載せてしまうと読者は誤解してしまう可能性がありますが、科学的な視点で考えれば、効果が質の高い研究で裏付けられていないという点で他の治療方法と著者の提唱する治療法は立場が同じであると思います。
また、文中で「物理療法」のことを「理学療法」と記していることなど、語句の誤りもみられます。そして本当にEBMの基準に従うのであれば、個々の研究ではなくそれらを統合したメタアナリシスの結果を重視するべきであり、この点についても疑問が残ります。例えば慢性期の腰痛に対する運動療法では、メタアナリシスを行った例では効果が「strong evidence」で裏付け(Aランク)られている例もあり本の中で書かれている文から受ける印象とは異なります。
このようなことを考慮して本の内容を判断する必要があると思います。