激動予測: 「影のCIA」が明かす近未来パワーバランス の感想

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タイトル激動予測: 「影のCIA」が明かす近未来パワーバランス
発売日販売日未定
製作者ジョージ・フリードマン
販売元早川書房
JANコード9784152092199
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

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購入者の感想

著者の前作『100年予測』も読んで驚くほど視野が広がった印象があったが、今回もためになる刺激的な一冊。

アメリカ、中東、ヨーロッパやアジアの現在とこれからが、読みやすい文章で、わかりやすくまとめられている。点の集合として認識していた事象が、本書で線になり、面になって理解されるような衝撃があった。また、現在と未来を理解するために過去をコンパクトに俯瞰しているが、その部分だけでも値段の元が取れるように思えた。

経済危機やテロ撲滅、中東問題はこれから10年の大きな問題としてしっかり取り上げられているが、アジアやヨーロッパの今後にもかなりのページが割かれている。とくに、日中関係や、EUの今後、ロシアの出方などについての考え方は非常に参考になる。アメリカ視点で語られることが多いが、それを割り引いても有益だった。強くおすすめしたい。

前作「100年予測」はSFとでもいうべき内容であったが、今回は現在の世界情勢を踏まえて今後10年間に起こりうる可能性を地域別に詳細に分析したものである。

その内容は、前作と同様ユニークである。
すなわち
アメリカは、「帝国」として存在し続ける。
そのために、各地域の勢力均衡を図りどこと手を結ぶか、どのような場合に介入するかという計画が示されている。
アフガニスタンとイラクでの戦争により、結果としてアメリカはイランと和解する。
次の10年でアメリカはイスラエルから距離をおく。
長期的にイランとイスラエルの対抗勢力になるのは、トルコである。
ロシアとドイツはそれぞれ資源と技術の補完関係から接近する。
これに対しアメリカは、ポーランドを重視する。
中国は、沿岸部とその他の地域とが分裂の危機に瀕し、弱体化する。
日本は長期的には、海軍力を中心に軍事力を強化する。
中国がアフリカから天然資源を買収しているが、いずれアフリカの不安定にさらされる。

著者の分析が現在の世界情勢から見て意外感を感じるのは、長らく第二時世界大戦以降の冷戦下にあって、固定化された世界情勢に慣れすぎてしまったのかもしれない。
長い歴史の中では、国際情勢は常に流動している。
これからの10年は、著者の言うとおり激動の時代になるのは間違いない。
そして、日本は地震をきっかけとして変化を遂げ、21世紀の強大な地域大国になるという著者のメッセージは心強い。

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