京都、オトナの修学旅行 (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトル京都、オトナの修学旅行 (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者赤瀬川 原平
販売元筑摩書房
JANコード9784480424778
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

まずタイトルが秀逸で、『京都、オトナの修学旅行』って何だろう、と読む前からワクワクする題名です。
確かに、京都は今も昔も修学旅行の代名詞のような街ですが、廻った社寺仏閣の印象は退屈だったという印象しかないでしょうし、旅館での枕投げと新京極でのお土産物の購入しか記憶していない、というのもよくある話です。

京都を訪れるのは、まさしく「大人」のほうが良いですね。路上観察学会長老で芥川賞作家の赤瀬川原平氏と、日本美術史を専門とする明治学院大学教授山下裕二氏による京都の名所旧跡を巡る旅の全てが知的好奇心を満たす含蓄に富んだものでした。

取り上げた社寺は、確かに修学旅行で必ず廻るような場所ですが、「日本美術応援団」として著書を出している二人の会話は珍しい視点から対象物を取り上げていますので、子供の修学旅行で得られる体験とは全く違う次元のものでした。

本書の内容は、金閣―「むきだし」の金は今日もリニューアル中、二条城―ゼネコン狩野株式会社の大仕事、東寺―とうじのまんま、ぶっきらぼうに並んでます、高台寺・円徳院―和尚の留守中に描いちゃいました、清水寺―信仰と観光の幸福な結合、京都御所―ミカドの留守番130年、桂離宮―純粋な贅沢を死守してきました、平等院―平安貴族が夢見たサンダーバード基地、銀閣―砂に銀を映したアーティストは誰か?、楽美術館―楽茶碗、15代目も楽じゃない、待庵―利休がしかけたワナつき二畳、嵐山―マル貧修学旅行生、嵐山の秘部に迷い込む、となっており、総括 京都美術観光論、あとがき 日本美術応援団 京都へ(山下裕二)で締めくくられています。

本書の記載箇所は、待庵以外全て訪れていますが、物の見方を変えるとこうまで新鮮に映るのか、という感覚を覚えました。大人の鑑賞に堪えうる本です。

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