ハックルベリイ・フィンの冒険 (新潮文庫) の感想

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タイトルハックルベリイ・フィンの冒険 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者マーク・トウェイン
販売元新潮社
JANコード9784102106020
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

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購入者の感想

僕らは大人たちから「大人になるために」と言って、次から次へと教科書を詰め込まれ知識を注ぎこまれきた。
でもこの本には教科書的な知識なんて一かけらも出てこない。

「おやじは、いつか返すという気持ちさえあれば、物を借りることは少しも悪いことではないと、いつも言っていた。
未亡人はそれは盗みを体裁よく言ったにすぎない、きちんとした男の子のすべきことでないと言った。」
ハックルベリイ・フィン(ハック)は、暴力親父と育ての親の未亡人との両極端の教えの間で悩むが、
元黒人奴隷で、訳あってハックと川下りの旅をともにするジムは、こう言った。
「未亡人の言うことにも正しい点があるし、お父っつぁんの言うことにも正しい点がある。
われわれのとるべき最善の方法は、いろいろあるものの中から二つ三つ選び出し、これだけは今後借りない、と言うことだ。
そのほかのものは借りても差し支えなかろうと思う。」

読者がハックに引き込まれるのは、教科書やマニュアルといったものを
ハックがはなっから放り投げてるところにあると思う。
筏(いかだ)の上で暴風雨に巻き込まれたり、銃弾がすぐ横をかすめ飛ぶような状況では、教科書なんてクソの役にも立たない。
ハックのその場のひらめきが(たいていは口から出まかせなんだけど)、
どんどん膨らんで、周りの人を巻き込む数々のエピソードは、
例えば、ハックが聡明な女の子に出会い、同情や憐れみが、次第に思慕というか恋愛のような感情に変化し、
うまく心の中で整理できないながらも、彼女のことで頭がいっぱいになって走り回ったように、
どんな教科書よりも的確に“人生とは何か”“生きるうえでどんな課題が迫ってくるか”を私たちに教えてくれる。

一番好きなエピソードは、ハックが川に流されてジムとはぐれ、やっとの思いで追いついたらジムが眠っていたので、少しからかってやれと企む話。
しかし実はジムは、はぐれたハックを心配のあまり泣き疲れて眠っていたのだった。
ジムに「ごみくずたあ、友達の顔に泥を塗って恥ずかしい思いをさせるような人間のことさ」と言われ、

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