美しい都市・醜い都市―現代景観論 (中公新書ラクレ) の感想

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参照データ

タイトル美しい都市・醜い都市―現代景観論 (中公新書ラクレ)
発売日販売日未定
製作者五十嵐 太郎
販売元中央公論新社
JANコード9784121502285
カテゴリアート・建築・デザイン » 建築 » 建設・土木 » 建築・土木工学

購入者の感想

「美を自明のものとせず、それぞれがどのような価値観をもっているかを再認識するという自己批判が必要」「国に強制されるような美は、制服のようなものだ」とする筆者の主張は明快。平壌での現地の印象も交えて語られる「強制された美」の行き着くところへの懸念もわかりやすい…。ジャーナリスティックな問題提起として刺激に満ちている。

だが、高名な学識者の関与する景観関係団体のホームページでの説明不足を批判し「せめて400字以上の論理的な説明文は必要」「大学院生の思考のレベルをクリアすべき」などと痛罵した直後に、地方都市の景観を一方的に笑ってみせたり、イラクの友好記念碑を理由らしい理由も書かず「ひどく醜い」と切って捨てるのは、さすがにいただけない。

また、攻撃の対象となった「景観法」にも、国による美の強制にあたる条文はみあたらず、日本橋付近の高架道路の地下化をあたかも政府の決定事項のように記述したくだりもあるが、そのような事実はない。

複数のメディアに断片的に書かれた文章を再録した本書の構成に起因する部分もあろうが、十分なチェックを怠った編集者の責任もあるのではないか。

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