人間をみつめて (神谷美恵子コレクション) の感想
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参照データ
タイトル | 人間をみつめて (神谷美恵子コレクション) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 神谷 美恵子 |
販売元 | みすず書房 |
JANコード | 9784622081821 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆 |
購入者の感想
前半の「人間について」は著者が自然科学の知識に基づきながらも、独自の思想から
宇宙のなかの存在としての人間にまで考えをめぐらすエッセイ。人間の脳について、
人間の外と内にある自然について、使命感、生きがいについてなどの記述が興味深い。
精神科医である著者は、精神病の人の心は普通の人の心の世界をつきつめたかたちであらわして
いるにすぎないと考える。そして、病む人や苦しむ人と同じ高さで共に考えようとする。
「うつわの歌」に表れている素直な心と「私たちではなく、どうしてあなたが」という疑問が
組み合わさって、誰も真似できない生き方になっていると思う。
後半は著者のハンセン病との関わりがつづられる。特に「島日記」は、16年間にわたり遠い自宅から
瀬戸内の長島愛生園に時間を見つけては通って診療をした記録。患者や職員と一緒になって
悩み考える姿が強く心に残る。精神的にも肉体的にもぎりぎりの働き方をする彼女が、ふと
往診の途中の道で、美しい自然に心をなごませる場面の描写が印象的。
宇宙のなかの存在としての人間にまで考えをめぐらすエッセイ。人間の脳について、
人間の外と内にある自然について、使命感、生きがいについてなどの記述が興味深い。
精神科医である著者は、精神病の人の心は普通の人の心の世界をつきつめたかたちであらわして
いるにすぎないと考える。そして、病む人や苦しむ人と同じ高さで共に考えようとする。
「うつわの歌」に表れている素直な心と「私たちではなく、どうしてあなたが」という疑問が
組み合わさって、誰も真似できない生き方になっていると思う。
後半は著者のハンセン病との関わりがつづられる。特に「島日記」は、16年間にわたり遠い自宅から
瀬戸内の長島愛生園に時間を見つけては通って診療をした記録。患者や職員と一緒になって
悩み考える姿が強く心に残る。精神的にも肉体的にもぎりぎりの働き方をする彼女が、ふと
往診の途中の道で、美しい自然に心をなごませる場面の描写が印象的。