人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期 (幻冬舎新書) の感想

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参照データ

タイトル人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期 (幻冬舎新書)
発売日販売日未定
製作者久坂部 羊
販売元幻冬舎
JANコード9784344983595
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 死生観

購入者の感想

医者であり、作家であり、そして社会人として、立派に親孝行を果たせた著者が、大好きな親父の大往生を看取る看病記。
 このケースは、登場人物が皆そろって社会的にとても恵まれている、ごく一握りのトップエリートの親子の絆の物語でもあり、
一般的な家庭の話ではない。その生活レベルの高さ、そして父子の理想的な強い愛情、絆で結ばれた父子愛や家族愛に満たされた中で逝った親父さんはうらやましい限り。
 ただ、その中で、著者の言うところの、医者としての本来の倫理観は、白い巨塔に象徴される現行医療コミュニティから、一線を画し、独立した見識としてきらりと光っている。その見識と経験に基づいた著者独自の患者との接し方、人生観、人間観は、一般人にも示唆に富んでおり、多くの共感を呼ぶことでしょう。

読み進んでゆくと、医療の専門家としての現行医療制度への葛藤、そして死に対する倫理観、そして人生観が交錯し始める。また一人の息子としての人生観、人間観なども加わり、著者の持ち合わせている様々な資質や経験が、父親の看病を通じて様々な角度から滲み出てくる。こうした話の切り口は一般人から見れば、とても珍しく、実に面白い。また、根っからの大阪人の持ち合わせているホスピタリティも随所に感じられる。

著者が主張している、″善良な医療とは、不要な治療や検査を行わず、老化症状をあるがままに認め、受け入れる。そして、それらの症状と共存しながらクオリティー・ライフを維持すべきだ”、という考え方にはとても賛同できる。また親が生きているときに、しっかり親孝行しておくべきだというのは、当たり前のようで、なかなか成せないこと。それを立派に有言実行できた著者に感服。今後の老親との接し方にも多々ヒントをいただいた。
 
この本は近い将来そのような境遇に差し掛かる人々に。そして、団塊の世代に生まれた親を持たれている方々にも、一読をお勧めしたい。

 

著者が「大阪弁で『おもろい本』」と表現されているように、思わず吹きだしたり、涙がこみ上げたり、驚きや感動も沢山ある『おもろい本』でした。ご家族への感謝と愛情が溢れ、全ての人間に優しい、いい本だなぁと感じました。亡きお父さんの最期に、時には客観的に、時には介護者として寄り添いながら、破天荒とも思える生き方と幸せな最期を語っています。どのような状態も全て受け止める覚悟を持てば、人はこんなにも自由に生きられることを知り、老いに向かって前進する勇気が沸いてきました。

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