偉人はかく教える の感想

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現場で悩んでいる私たちに自信を与えてくれる本です。
リーダーシップは私たちも持つことが出来る。この本を読んでそう感じました。

ビジネススクールなどで展開する難しい理論を講義する本ではなく、
また、歴史的な知識をもとにして、一般的な生き方を論じる本でもありません。

社員教育の場で何十年も苦労して来た著者が、どうすれば現場の人々の力になれるか
そのための知識を「リーダーシップ論」としてまとめた本です。

例えば、第二次大戦の英国元帥モンゴメリーの言葉「リーダーシップは・・・
人々に自信を与える人格のことである」という言葉を通して、
著者は「口先だけで綺麗ごとを言い、おいしい話をしても行動が伴わない。
いざとなると逃げ出し、人を見捨てるリーダーに人はついていくだろうか」と述べる。
また、江戸時代の学者である山鹿素行の生き方を通して、「立ち居振る舞いの模範を示すこと」
が大切であり、それが現代でも管理者の武器になるとする。

どうすれば現場の管理者が自信をもって集団をまとめ、リーダーシップを発揮していけるか、
そのために多くの歴史的なリーダーの生き方を引き合いにだすが、著者の目的はあくまで
一般的な人がリーダーの立場になった時どうすればよいのかをいろいろな人物のエピソードを
引き合いに出して述べている。
本書を読むと、リーダーシップは難しいことではない、私でも出来るかも知れない、
と自信を与えてくれる本だ。

著者のいう「才能や知力、金力、権力だけでは人はついてこない。まして逸材を使いこなせない。
では、何が必要か？人間的魅力に勝るものはない」という生き方を少しでも実践することが
リーダーシップ的な生き方への第一歩なのだと思う。

この手の本は堅苦しいものが多いが、とても読みやすい。
社員教育の現場での具体的なエピソードと絡めながらリーダーシップについていろいろな角度から書かれている。
表面的に知っていた人物についても更に深く掘り下げて知ることができた。
読み終えたとき、歴史通になった気になれる本。