昭和怪優伝 - 帰ってきた昭和脇役名画館 (中公文庫) の感想

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タイトル昭和怪優伝 - 帰ってきた昭和脇役名画館 (中公文庫)
発売日2013-10-23
製作者鹿島 茂
販売元中央公論新社
JANコード9784122058507
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

大学の授業をサボって、「ひょっとしたら留年するかも」という恐れを感じながら、昼日中から名画座でヤクザ映画3本立を見ていたあの頃。「こんなことしていたらダメになる」と思う反面、何の役にも立たない昔の映画を世の中の普通の人間が働いている昼日中から薄暗い映画館で見るアナーキーな快感。あの頃を懐かしく再現させてくれる、至福の一冊だと思います。

ジェリー藤尾、岸田森、伊藤雄之助、天知茂、三原葉子、成田三樹夫。いわゆる「好きな俳優」というのではないが、不思議に気にかかる悪役やヴァンプ。彼らを愛情込めて記述する鹿島さんの文章の妙。文春の単行本「風貌談」に掲載されていた「ギャング・エイジの高倉健」が掉尾を飾る。

日本映画を、そのダメさゆえに愛する人なら、必ず楽しめる珠玉の名著。邦画ファンは必読でしょう。

 著者の鹿島茂さんは、私なんかが指摘するまでもなく、すごく博学多才な方で、著作も多数で、私もかなりの本を愛読させてもらっています。 
 鹿島さんが、前書きで述べておられるように、1970年から1977年の8年間、年平均で3、400本の割合で映画を観、その前後を含めると10年間で、3000本以上の映画を見ていることになるそうです・・・驚くべき数字ですね!!
 そして、その映画への情熱をかきたてたものは、鹿島さんのコレクター的情熱であることは言うまでもありません(鹿島さんの著作を読んでいる人にはピンと来るはずです)。
 その情熱は、東映やくざ映画、日活ニュー・アクション映画、日活ロマンポルノ などのプログラム・ピクチャーの完全制覇へと向かうわけです。
 そうした映画を見ていくうちに、主役より脇役のほうが記憶に残る、「脇役残像現象」に陥ります。
 本書は、鹿島さんの膨大な記憶を基にして、特に記憶に残る脇役、そして出演した映画を紹介しています。
 紹介の仕方も洒落ていて、「脇役名画館三本立て上映×12回」という形式になっています。 
 取り上げられている脇役は、以下の通りです。   1:荒木一郎   2:ジェリー藤尾   3:岸田森   4:佐々木孝丸   5:伊藤雄之助   6:天知茂 
 7:吉澤健   8:三原葉子   9:川地民夫   10:芹明香   11:渡瀬恒彦   12:成田三樹夫 
 そして、各々の俳優を何故選択したのか、代表的な名演が紹介されていきます。
 プログラム・ピクチャーですから、上映されたきりで、一度もソフト化されていない作品も結構あります。また、オリジナル・プリントがジャンクされ、もはや存在しないものさえあります。
 しかし、そんな作品に対しても、鹿島さんは自身に記憶を頼りに、ストーリーを極めて具体的に紹介していきます(すごい記憶力です。淀川さんと双璧かな!)。
 いずれの俳優も凄い人ですが、私は、しとやかな獣で見せた、控えめな演技のなかの過剰さ の伊藤雄之助、恥ずかしながら私も古くからのファンの三原葉子。
 柳生一族の陰謀

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